PORTRAIT IN STYLE:

日々の生活の中、1日に初めて会う方はどのくらいいられますか?
その方とどのくらい接することがあるでしょうか?

初めてお会いする方々と挨拶をして会話を交わし、自然な笑顔をみれるまでの時間から撮影は始まりました。

まだ寒さが残るNYのお昼前、僕は新年早々のバッドラックに頭を抱えていました。
そんな中、日本からの国際電話が携帯へ、内容は今回の撮影の依頼でした。
気持ちの落ちていた自分の気持ちは一気に上がっていくのを感じられました。
早々に春一番が自分の中で吹きました。

日本全国5店舗のネペンテスのお店とアメリカ,ニューヨークのお店を回り、顧客の方々のコーディネイトをポートレイト形式におさめていく企画でした。
東京のお店とNYのお店以外は行ったことがなかったので、その他のお店を訪問するのとその場所ごとの顧客の方々、”ネペンテスラバー”にお会いできるのは非常に楽しみでした。

凍てつく寒さの中でのNY撮影。
今年の冬は比較的暖かかったのですが、非情にも撮影が組まれたこの週は大寒波がやってきてしまいマイナス10度以下、ひどい日でマイナス20度前後。
皆さん、吐く息が白くなるので息まで止めて撮影に参加してくださいました。

日本へ渡り、東京2店舗分の撮影。
写真にはそこまで現れなかったのですが、雨が降ったり止んだりの空模様。屋根のある場所を探したり、雲が切れるのを待ったりしているうちに皆さんとお話をたくさんしました。
渋谷、青山周辺を歩き、見つけたスポットの後ろには岡本太郎さんの作品がそびえていました。

そのままの勢いを保ち、札幌へ。
温度が低いせいか、NYと同じような環境へ舞い戻り。
初日に撮れたお二人の撮影時以外、大雪で滞在中ずっと雪が降っていました。
しかしながらお店にやってきてくださった被写体の方々はみなさん暖かく、それに加えお店の暖炉には気持ちも温められました。

撮影後には、念願の北海道テンカラ釣りにも初挑戦しました。
雪深く積もる中、ひっそりと佇む川へ竿を垂れ、静かにと思いきや、まさかの一投目で可愛いサイズのブラウントラウトを初心者ラックで釣ってしまいました。その後は雪が吹雪始め、行く先も見えないくらい雪景色でしたが、、、

札幌で別クルーの方々と別れ、一人大阪へ向かいました。
伊丹空港には、大阪店店長、圓若さんがわざわざ迎えに来てくださいました。
初めてお会いする方しかいない大阪でしたが、みなさんの心配りとお店の周りの雰囲気がとても素敵で、それをまとめているかのような靭公園、最高です。
撮影は、公園を中心に天気にも恵まれ、個性の力強さを感じる方々をメローな状況の中、撮影できたと思います。

時差ぼけで少し体に重みを感じつつ、大阪からは新幹線に乗って博多へ向かいました。
この区間を新幹線で九州へ向かうのは初めてだったのでワクワクしながら、瀬戸内海や、広島の風景などを眺めつつ夕日を追いかけて博多へ。

撮影最後の地は、春を越えて初夏のような陽気の中、あっという間に進んでいきました。
一本すっと筋が通った雰囲気の被写体が多い撮影でした。

給料が出たらお店に行ってお買い物するって言っていたお二人の言葉が、十代の頃、バイト代が出たらお買い物に行っていた自分とかさなって、いいなあって思ってしまいました。

みなさん、写真を撮られることに慣れていない方達が多かったですので、カメラの前で自然な顔になれるようにどうしたら良いかなあと模索しつつ、その逆に少し緊張している方が凛として見えたりすることもありますので、頃合いの良い表情と服のコーディネイト、そして”その場”の雰囲気がうまく調和して写真に現れていたら今回の撮影の意図が伝わるはずです。

NEPENTHES IN PRINT #4 
Portrait in Style

距離感のつかみ方と全体のバランスを整えていくこと。

お時間があればぜひ手にとってみてみてください。

山田陽

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AKIRA YAMADA 山田 陽

AKIRA YAMADA 山田 陽

フォトグラファー。1998年よりNYをベースに活動。近年は東京との往き来も多くなり、雑誌、カタログ、広告の撮影に携わる。次回の展示の製作開始。
Website : www.akirayamada.com
Instagram : akirayamada