Stan Smith Returns

何かスニーカー話題が続いたので、ついでにもう一個。
随分と前になるけど、NYの街中でスタンスミスの顔がでっかく描かれたポスターがそこら中に貼られていた。なんでスタンスミス?????って感じだったのだけど、人に聞いたらどうも2014年に復刻されるからで、さらにNYのバーニーズがファッションウィーク中からそれを先行販売するとかで、キャンペーン中だったと分かった。だけど、僕はスタンスミスがここ2年くらい生産中止してた事自体、全く知らなかった。どんな復刻か期待ワクワクで調べたら別に大したものではなく、以前で日本だけで売っていたモデルとほぼ変わりないようだった。というか、日本版の方が良さそうなくらい。という事で、もちろんバーニーズにも買いに走らず、来年から一般市場に出廻るらしいけど、それも別段今のところ買う予定はない、と思う。

レーションがそうなのだろうけど、かなりのスニーカーフリーク。ジョーダンとかの話も結構したけど、さすがにスタンスミスまではね。確かに履いていたような気がするけど、いわゆる僕らの思うスタンスミスではないバージョンのスタンスミスだったと思う。今回のNYでの復刻盛り上がりを受けて相当勉強したようで、アディダスの会社自体のなれそめから、スタンスミスの誕生逸話まで調べてきた。僕も、スタンスミスの前身がハイレットだったぐらいまでは知っていたけど、この人、フランス人のロベール・ハイレさんが元々フランスのプロテニスプレーヤーで彼の引退後にアメリカのスタンスミスさんが好んでこれを履き、全米プロで優勝をきっかけにモデル名もスタンスミスに移行した旨を知った。そういえば、昔日本で復刻したハイレット版のスタンスミスも持ってるなあ。

高校生の頃、地元青森ではこういう高級スニーカーとかの絶対量が少なくて、売っているお店もほとんど無かった。当時愛読していた雑誌ポパイで、この手のスニーカーを知って、異常に物欲が高まり、コンバースの引っ込み星が東京の八王子のお店、ブルにあると聞いて速攻で電話したのだけど、僕の津軽弁が強過ぎて、相手は何を言ってるのか理解できずに電話を切られてしまったり。同じくしてスタンスミスを知り、僕の住む弘前市から電車で(当時は汽車と言っていた)1時間くらいの青森市に、キャップサイズというイケてる店があってそこで扱っているらしいという情報でわざわざ買いに出かけた。そこで買ったのが人生で最初のスタンスミス。サイズは7ハーフ。値段は14800円。当時、リーガルのスニーカーが4800円の時代、親には本当の値段は言えなかった。その頃すでに足のサイズは8以上あったと思うけど、店の取り扱いは7ハーフが一番大きいサイズでしかたなくそれを買って履いていたのだけど、当然長く履いてると痛いし、さらに履いてると擦れて血が出たり。なので、履き易いとか、そいうのは全く度外視で、ただただ見た目と、スタンスミスを履いているという意識だけで気持ち良かった。

大切にしてたと思うけど、一度ポパイに書いてたように、水洗いしてみたら、表面の白のペイントが取れて、ほぼグレイ色になってしまい、泣きながらポパイの記事を恨んだ事もあった。あれから、もう何足のスタンスミスを買い続けたかわからない。理由の一つは、足が年々大きくなったせいもあるけど、やっぱりあのシンプルなデザインが大好きだったからだと思う。ただ、スタンスミスが洋服に合うとは言うけれど、そのまま普段に履くのは良いけど、ちょっと洒落っ気を出してハズシに使うなんてのは、やっぱり若い時分には無理で、やっと最近思うのは、本当は良い靴をたくさん所有してるのに、あえてスタンスミスをここで履くんです的な、気持ちの余裕が無いと気分というか、自信がないなあと思う。すっと長年必ず手元にあるスニーカーではあるけど、意外にほとんど履いていないのはそのせいもあるかもしれない。

今回、復刻の盛り上がりで、手持ちを調べたら、最後に買って履いていたスタンスミスは、何と自分でも忘れてしまっていたけど、最後のフランス製。ついでに発見したのは、アメリカで買ったオフィシャル。これもフランス製だった。さらに関係ないけれど、ロッドレイバーもなつかしがって見たら、これは中国製。だけど、このテールの色違いはアメリカの靴屋の別注で中々無かったはずだなあと思い出してきた。

ニューバランスも好きだけど、本当のところ、実は、アディダス党なんですね。
ジャバーに、タバコに、カントリーなど、いろいろと履いてましたからね。
もう良い歳になった今だからこそ、やっとスタンスミスをカッコ良く履けるかもしれません。
ちゃんとサンダル離れが出来ればの話だけどね。

それではまた次回。

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DAIKI SUZUKI 鈴木 大器

DAIKI SUZUKI 鈴木 大器

NEPENTHES AMERICA INC.代表「ENGINEERED GARMENTS」デザイナー。1962年生まれ。89年渡米、ボストン-NY-サンフランシスコを経て、97年より再びNYにオフィスを構える。08年CFDAベストニューメンズウェアデザイナー賞受賞。日本人初のCFDA正式メンバーとしてエントリーされている。