End of an era.
今日は土曜ではあるが、次シーズンのサンプル進行中なので仕事に向かう。
と、その前に午前中ちょっと寄り道を。
MOMAが改装して新しくなってからまだ行っていなかった。まだ混んでるという話を聞いてはいたが、さくっと挑戦。朝一ってのもあって思ったほどは込み入ってない。ざっと見て廻ったけど、やっぱりなんか特化して観に行く方が合ってると思った。どこを見ていいのか、どこか見逃した気がして、ちょっと定まらず気疲れ。だけど、巨匠の作品がこれでもか、これでもかと普通に展示してある。昔から本で見ていたものとか、東京の特別展示でみたことあるものとか、いろんなメディアで良く見かける、そんなのがゴッソリ。こんな環境が朝起きたときに、思いつきでさくっと見に来られるというのはやっぱりNYの特権なのかな。しかし有名な作品たちの良さは何でわかるのだろうか。ずっと以前から疑問のまま、この歳になっても同じ気持ちのままできてる。ただたまに、思い込みで気が付くというか、想像できる時があり、それが本当かどうかはともかく自分なりに図式が通ると、ああなるほどねと納得してしまう。良いかどうかはわからないが、好きかどうかはわかる気がする。奥が本当に深いのか、目の前で惑わされているだけなのか、謎は永遠に。
めったに来ないミッドタウンに来たついでに、例の場所へ向かう。
NYにこの店がなかったら僕はここに来ていただろうか。大袈裟だけど、そんな事を考えさせるほど若い時には影響を受けた。およそ10年ぶりくらいにこの店に足を踏み入れたが、これが多分最後になるのでしょう。この場所がオープンした頃は眩しすぎるほどの魅力で溢れ、めったに買い物はできなかったけれど、買うたびにその店の紙袋を持って街を歩くのが誇らしかった。あんな店はもうどこにもないのか。閉店セールのポスター、ポップが至るところに目についた。あの有名だったドアマンも、ちょっとしょぼくれて見えた。店内は暗く感じたし、エスカレーターが半分ほど止まったままだった。もうすぐ閉店するのはわかるが、この状態はさすがに可哀想に感じてしまった。他にも時代の流れで閉店に追い込まれた店はあったけれど、長く生き延びた分、余計に寂しく感じる。最後の1分まで、あの気品を見せてほしかった。
せめて有名だった、ここのウィンドウには閉店ポスターを飾らないで欲しかった。
何か The end of an era という言葉が頭に浮かんでしまう。
街はクリスマスムード全開。毎年これを感じ始めると焦る。
サンプルを急がないと。事務所に向かおう。
ではまた次回。