インディアン?

「インディアン」という言葉は、インド共和国を意味する英語「インディア」の派生語であり、直訳すれば「インド人/インドの」という意味。ではなぜ昔、アメリカ先住民のことを「インディアン」と呼んだのかというと、コロンブスが新大陸(アメリカ)を発見したときに、そこをインドと間違ったからと言われている。

つまり、明らかな勘違いから生まれた呼称で、インド人じゃない人をインド人と言ってる訳なので、その勘違いが分かった現代では、アメリカ先住民という意味合いの「ネイティブ アメリカン」と呼ぶのが妥当だろうなと。

だけどもだけど、逆に呼称を変えることで、「インディアン」と呼ばれてた時代に受けた屈辱の歴史を帳消しにされるのではないかと、反対しているアメリカ先住民の方もいるし、そもそも彼らには様々な部族があって、自分の部族にしか帰属意識がないから、本当は「ネイティブ アメリカン」として白人社会に一緒くたにされること自体が嫌だろう。

それでもやっぱり、いくつかの部族をひとまとめで呼ぶ場合は、複雑な背景を承知の上で「ネイティブ アメリカン」と呼ばせてもらうのが着地点かな。なんてことを考えながら、明日からNEPENTHES TOKYOでスタートする「NATIVE AMERICAN JEWELRY SHOWCASE」の準備。

NEPENTHESにとっては、創業時から展開し続けている、店になくてはならない大事なカテゴリー。個人的には「ネイティブ アメリカン」の人たちが作るジュエリーを、民藝を見るような感覚で見ていて、生の人間ぽいというか、精神性が見て取れて、いつの時代も色褪せない素敵なものだなあと思っています。週末はぜひお出かけください。

昨日タイムリーに、古着業界での旧インディアンズロゴを使用したアイテムの人気の高さを聞いた。大人になったら、たまにはこういったことを考える時間も必要。

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明日は次号『NEPENTHES in print』の最終ロケ撮影。
そんな時に限って雨予報。お天道様どうか夜までがんばって。

TOKURO AOYAGI 青柳 徳郎

NEPENTHES ディレクター。 1970年生まれ。 東京都出身。