Tokyo:
NYでどのようにすれば生きていけるか、がむしゃらになっていたことをふと思いだしました。
まず家賃、食べる事、ビザの事、そしてちょっと余ったお金でお酒飲んだりして、あまり友達もできず仕事と自宅の往復を繰り返して。
日々の勉強は怠らず、本はできるだけ読んで、映画もたくさん観ました。
時間だけは今よりもたくさんあった気がします。
毎日ヨガをして、体のリズムを戻すためたくさん深呼吸をして気持ちを整えることを心がけるようにするのには時間がかかりました。
自分と向き合い、向き合い疲れて、今度は少しづつ外の世界の方達と
向き合えるようになっていきました。
気持ちが落ち着いてきた頃、日本へやっと帰れる機会がありました。
でもそこには自分の居場所はなかったような、宙ぶらりんのような感覚。
まだ戻れない気持ちでいっぱいの自分があったからなのだと思います。
仕切り直しで、仕事に生活に頑張って生きていたら、今度は日本へ戻って仕事もしてみたくなってきました。今まで自分のやってきた事をフルに発揮して。以前のような宙ぶらりん感覚はなく、今度はみなさんが温かく迎えてくれるように感じました。良くも悪くも感じるのは自分の頭ですね。
ただ東京は、いつ戻ってもなんだか不思議な街です。
思い出がたくさんあるのに、ぼんやりとしているのです。
学生時代まで過ごして、さあこれから仕事頑張るぞというときに飛び出してしまった街は、僕にとってなんだかぼんやりと大きく浮遊している街なのです。
そんな街の地面をしっかり捕まえるように、仕事をこなし、ジョギングしたりいっぱい歩いたり、友人たちと飲み、いっぱいお話ししていたら、ゆっくりと少しづつ浮遊していたものが地面につきはじめてきたかな。
街と自分をつなげる留め具を作り続ける。
東京には、ネペンテスのお店が2店舗あります。
撮影を今回した際も、日にちが一番多かったのも東京でした。
自称雨男の山口さんのパワーを押し殺し、東京での撮影は終始、天候に恵まれ前回のような室内撮影なくとてもスムーズにすみました。個性の強い洋服達が被写体の方々と一緒に交わるとなんだか妙に街に馴染んでみえました。
やっぱり東京って不思議。