Bjork:
僕が高校二年生だった頃のある朝の登校時、音楽好きの友達がおもむろにウオークマンで聞かせてくれた、ビョークのSingle cut。その頃、洋楽にじわりじわりと心をうばれていた僕は完全に聞きいってしまいました。そんな彼女のソロ初アルバムが近日出るということで、友達数人と発売日に渋谷のWAVEに駆け込みました。もちろん売り切れてなどいなかったのですが、はやる気持ちを抑えきれない僕らは、急ぎ足で下校時にお店に向かったのを覚えています。購入してその場で、個々のCDプレイヤーで早速、聴き始めていました。それから今に至るまでこのレコード:Debut:は、ことあるごとに、まさしく”聴きまくった”レコードの一つになります。聴きすぎて、聞けない箇所ができてしまい、CDは2回買い直しました。
そんな彼女がアルバム発売から1年後(1994年)、ソロとして初めての来日ライブを渋谷オンエアーにて行うというのです。友達の持ってきた情報に興奮した僕らは、インターネットのなかった時代なので直接、発売日に(学校をサボって、、)オンエアーまでチケットを買いに行きました。
ライブ当日、満員にひしめく小さなスペースの中、僕らは前に前にと進み、ほぼ目の前に彼女がやってくるのを今か今かと待っていました。伴奏が始まり現れた彼女はとても小柄で、国籍がわかりずらい容姿をもち合わせ、ふっと間をもったかと思うと次の瞬間、全身に音楽を受けとめるかのように飛び跳ね歌い出しました。そのライブ音楽の完成度、独特な歌い方や音への反応、彼女の仕草、そしてステージに完全に魅了された僕は時間感覚を失っていたような気がします。その証拠に、まわりの興奮した女の子たちが、酸欠で倒れ始めているのに気づくのに時間がかかりました。
1996年の恵比寿ガーデンホールでのライブ、アコーディオンピアノの奏者COBAさんとの共演も素敵なライブでした。
その後、僕自身が渡米してしまい遠のいていたかと思っていたら、NYの街で度々見かけるようになり彼女もどうやらNYに移り住んでいたようです。一番びっくりしたのは、ブリックリンブリッチの下にある公園を早朝6時ごろジョギングしていたら、白装束のご一行を遠くに見つけました。近ずいていくとなんと彼女とその一行が何をしているのかはわかりませんでしたが、イーストリバーをゆったり眺めていました。その後、聞いた話で分かったのは、彼女はうちの近所に数年前から住んでいることが判明いたしました。
と前置きがだいぶ長くなってしまいましたが、現在、NY近代美術館_MOMAでは彼女の大々的な回顧展を行っています。ソロデビュー後の彼女の活動の展示が衣装、映像、などを交えてしっかり展示してあるようです。(実は時間調整ができずまだ観れていないのです。)展示は6月7日までで、その期間中、彼女に関したレクチャーやスペシャルイベントも開催されるようです。もしNYにこられる機会があればぜひ立ち寄られてみてはいかがですか?
The Björk exhibition
Until June 7th 2015.
MOMA 11 WEST 53 STREET, NEW YORK, NY 10019
(212) 708-9400
http://www.moma.org/visit/calendar/exhibitions/1501