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前日とは打って変わって朝から雨の予想の出ていた京都の街、行き先アプリを頼りに叡山電車を北の終点、鞍馬駅まで向かっていきました。
山の入り口で手を清めているとポツリポツリと雨が降り出した。
やめとくかな、と思ったにもかかわらず、僕は次の瞬間になぜか足を山に向けていた。
まだまだ寒さの残る、3月半ばの京都。
本殿へ続く山道は、予想していたよりも長く、次第に身体も汗ばむほどに。
でもなんだか気持ちは妙に落ち着いて、空気の流れる音と時折聞こえる参拝者の喋り声が、耳心地よかった。そうこうしていたら、太陽から暖かい光が差してきた。
ようやくメインコースの奥の院参道に足を進めて行く。
幼少期を鞍馬寺で過ごした、源義経が鞍馬の天狗に兵術を教わったという伝説が伝わる場所へ。
空気はきりっと引き締まり、身体中が疲れていたはずの自分の感覚がふわっと軽くなるような、足は自然に大杉権現の方へ進んでいました。
瞬間が止まり、空気が軽くなり、自分の存在が消えた。
すっとベンチに腰掛け、目を閉じ、心臓の音と向き合ってみる。
自分はまだここにいたと気がついた。