二つに分ける:
グルテン抜きのピーナツバタークッキーを渋々、真っ二つに分ける。
彼女はそんな僕の気持ちは一切察せず、ただ大きめに見える方のクッキーを指差し食べ始める。
僕は遅れをとりながら頬張る。
目があった際、お互いに100パーセントの笑顔で分かち合う。
4歳と40歳の目があった。
よいことは大きな声でいうと逃げてしまうというしニンマリとだけしてみた。
地と空が二つに分かれたところで、白いユニフォームに身を包んだいっぱいの笑顔に囲まれた。
風の音と笑い声がいっぺんにやってきて、岩から突き上げてくる別の風に持っていかれた。
この土地で一番背の高い岩を見上げると空雲をくっきりと切り取っていた。
大声で叫ぶ子供たちの声は上昇気流でかき消され、彼らの気持ちだけがこちらにやってきた。