Iro:
体中に感じる太陽の明かり、スコールが上がった後の湿った空気のなかに広がる草の匂いとそれらに反射するかのような色。
晩夏の夕暮れ時、静まり返った田園にきらめく色
万人が通り過ぎる街道をひっそりと覆い包む色。
現在地のつかめない砂漠の朝、真っ赤な太陽は砂漠中を紅の色に染める。
旅をしたり、街を歩いたり、人と話したりしていくなかで、目の中に飛び込んでくる色は、自分の頭に鮮明に残ってくる。その色は、その場に向かい、体で感じとることでしか体現できないような気がしますが、できるだけ正直にその色を表現するには、カメラはとても良い道具となってくれます。いつもカメラを首から下げて、さっとシャットを切る行為、目に映る光景を自分なりに噛み砕いてファインダーの中に取り込む、やっぱり続けていきたい行為です。でも最近は、カメラはカバンの中にあることが多く、目的地に着いてから取り出している気がします。気をつけないといけないですね。
One Step Aheadというコンテンツを、ネペンテスサイトのLife Styleにて組み込んでいただきました。数年続けさせていただいている New Yorkのストリートでの撮影を通した、被写体との会話を、セレクトして今回は紹介させていただきました。アレサ・フランクリンのこの曲は、そんな会話をしている僕の心境とすりあわせて聞いてみてください。