A STUDY OF URBAN OUTDOOR OUTFIT

北朝鮮がミサイルを撃った日、単身サッポロへ向かっていた。案の定、フライトが一時間以上の遅延。急いで千歳空港からJRへ乗り継ぎ、札幌駅へ。そこから目指すは、もちろん南2条、西8丁目。清水さん、SOUTH2 WEST8チームと無事合流。今回、ここへ来た理由はこちら。

SOUTH2 WEST8のスタイルブック「A STUDY OF URBAN OUTDOOR OUTFIT」来季版の撮影のため。タイトルの通り、アーバンアウトドアな着こなしを考察する一冊。撮影も本拠地サッポロで行っている。この秋冬からはモデルも現地に住む人を起用し、印刷以外はほぼメイド イン サッポロ。

店内のスペースを使って早朝から撮影して、終了と同時に開店準備。〈SOUTH2 WEST8〉は来季も新しい試みが盛りだくさん。アイテムの一つひとつに存在感があって、撮っていてとても楽しかった。

撮影後に広い店内をうろついていたら『HYPEBEAST』がキラキラと。この号は、清水さんのインタビューが掲載されているのに加えて、天才イラストレーター空山基さんの特集も掲載。何を隠そう、空山さんの描くエロスが大好き。ポスターとステッカーまで付いていて、ファン心がくすぐられる。雑誌を始めて受け取ったときは、かなり気分が上がった。

通販が多いのもサッポロの店ならでは。欲しいものが北海道から届くってだけで、何かロマンを感じてしまうのが日本人。北海道というのは、何度行ってもそういう場所だと思う。

店頭には、この秋一番楽しみにしていたジャケットが届いていた。生地はオリジナルのカモフラージュデザインで、3レイヤーの完全防水。素晴らしい仕上がりだった。これでもう、雨だろうが雪だろうがいつでもどこでも安心して川に入れる。しかし問題なのが、そのサイズ。普通に街でも着たいから、そのサイズ選びに難航。東京ではニットの上にでも羽織りたいけど、稚内ではダウンの上に重ねたいし、都留なら下にフリースぐらいがちょうどいい。MとL、それぞれに着なきゃならない場所があるというのはどうしたものか。

北の大地はもうすっかり肌寒く、夏が遠い日のよう。山は燃え、川の魚たちも秋色に変わる。動物たちは山の恵みを体に蓄え、冬支度を始める。季節は巡る、ぐるぐると。腰から下げた熊鈴に、諸行無常の響きあり。

TOKURO AOYAGI 青柳 徳郎

NEPENTHES ディレクター。 1970年生まれ。 東京都出身。