今日の日はさようなら

新しい竿を手に山梨の渓流へ出かけた。まずは前に良い釣りができた場所へ。緩い流れに餌を流すとすぐに竿が曲がった。軟らかな新しい竿の調子を確かめる。ようやく顔を出したのは肥った虹鱒だった。そこから上流へと釣り上がる。都会では歩くのが大嫌いなくせに、川ではよく歩く。淵や沈み石を見つけては、そこに向かってずんずん歩く。どこで川を横切るかが問題だ。突っ切れると思った流れが思ったより深く、流れから顔を出している石に登るが、ウェーダー(腰までの防水長靴)を履いているので次の石まで足が届きそうにない。仕方なく危険回避で元来たルートを戻る。目の前の大岩を登り川岸を歩きたいが、やはり足が上がりきらず登れない。諦めて、さらに下ってようやく川岸に出た。

川岸を歩くと程よい水深のある淵が見えてきた。竿を伸ばしたところで、餌の川虫が切れていたのを思い出した。岩を裏返し、流れ出る川虫を網で取る。しゃがんで作業したいところだが、ウェーダーの生地が突っ張って思うような体勢がとれない。腰をかばいながら6匹のクロカワムシを確保した。

気温も上がってきたので、流れ込みの白泡を流してみると、泡が消えかかるところで大きく目印が沈んだ。細かなバイブレーションを感じたので、山女魚かと思ったらまた虹鱒だった。結局その淵でとれたクロカワムシは、すべてその淵の虹鱒で使い切ってしまった。

その後も遡行し続け、気がつけば3時間ほどずっと歩いていたことになる。身体は汗だくで、ウェーダーのなかで脚の筋肉が悲鳴をあげていた。脱渓地点はまだまだ先。脚の動きをあまり制御しないネオプレーン素材のウェーダーだったらずっと楽なのだろうが、あの身体に張り付いたシルエットはどうも好きになれない。釣りといえど自分の好きな格好しかしたくないのが我々の性分。

しかし、このストレスとも今日でさようならだ。
〈SOUTH2 WEST8〉のオリジナルウェーダー「RIVER WALKER STRETCH WADER」が今日ついに届いた。大手繊維メーカーとの共同作業で開発した〈SOUTH2 WEST8〉オリジナル ”ハイテク” ファブリック「TRI – DRY – FLEX /トライ ドライ フレックス®」を使用した、完全防水と伸縮性を併せ持つ画期的なウェーダー。

あと10センチ足を上げられたら、あと10センチ腰を下げられたらと、釣行の度に感じていたストレスからこれでようやく解放される。川に行くのが待ち遠しい。スカイウォーカーならぬリバーウォーカー。穿いた瞬間からフォースは我と共にあるはずだ。May the Force be with you too!

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TOKURO AOYAGI 青柳 徳郎

NEPENTHES ディレクター。1970年生まれ。東京都出身。