『NEPENTHES in print』#13

ウィメンズ特集が発売。今回もたくさんの方々に参加して頂きました。特に初めての女性テーマで、手探りしながらなんとか着地。いつもなら、反省会と称した打ち上げで各撮影チームに感謝を伝えられるのですが、今は我慢のとき。これが「ニューノーマル」で無くなることを祈りつつ、この場を借りて深く深く御礼申し上げます。

表紙に選んだフォトグラファー川上智之さんによるバックペーパー前での騎乗写真は、巻末に掲載したスタイリスト服部昌孝によるREMIX『UNPREDICTABLE』の摩訶不思議ショットの種明かし。凄技です。オンラインストアでも購入できるので、NEPENTHESが考える2020年のヒロインたちの姿、是非お手元に。

今号に限らず、いつもこの本やHPやイメージ撮影に関わってくれる皆さんは、こちらの期待を遥かに超えていき、かえってこちらが色々心配になってしまうくらいの仕事をしてくれる傾向にあり。。そして、それは全てNEPENTHESへの期待の裏返しでもあり、背筋の伸びる思いです。

スタイリスト山崎脩平君、フォトグラファー堀裕輝君、そしてMARBLE STUDIOとそのチームによる最新のREMIXも素晴らしかった。見れば見るほど気に入ってしまい、後から無理を言ってタブロイド紙バージョンもお願いして、現在印刷中。仕上がり次第、NEPENTHES各店頭で限定数を無料配布しますので、楽しみにしてください。才能溢れる人たちに出会えるこの仕事は楽しい。必見です。

REMIX – “MERRY PRANKSTERS” ー「ヒッピーカルチャーのルーツを辿って。国籍、年代、性別を超越した10人のポートレイトが放つ多様性の意義。」

店頭では、2021年春夏の先行予約会「PREVIEW」がスタートし、先週末の博多店での開催は大好評のうちに終了。今週末からまた、大阪、東京へと続いていきます。是非お出かけください。

「夢みた未来ってどんなだっけな?」ー この数週間、ふと気が付くと頭のなかで永積崇さんの歌声が鳴っている。20年前に夢みていた未来には確実に近づいている。なのに、どこか満ち足りない。チームが大きくなればなるほど、感覚や感情を共有するのは難しい。けれどそれを必然とするなら、そもそもチームを大きくする理由が見当たらない。

2020年11月の現在、各店頭では2020年秋冬アイテムが主役を張り、工場では2021年春夏アイテムが縫製されるのを待ち、デザインチームは既に2021年秋冬の企画に追われている。この旅は、終わりのないスタミナ勝負のファッションマラソン。本当に好きじゃないとできないし、他方、好きだから続けられる。

「激しい競争の世界で頑張っていますねぇ!健闘を祈っています!」ー スマホに残された写真家 鬼海弘雄さんからの最後の返信。逝去された事実が自分のなかで未消化のまま何度も読み返した。NEPENTHESとして具体的な他者を意識する機会は本当に無いので、自分たちが競争しているつもりはまるで無いけれど、ファッションで生きている限り、それは紛れもない事実なのだろう。

鬼海さんは過去のインタビューで「ポートレイトにはその人の時間の蓄積がずーっと写っていないといけません。一過性だけで目をひくような、薄っぺらなものはポートレイトではないと思っています」と語っていた。自分は「ポートレイト」の部分をそのまま「服」に置き換えられると思っている。そして、鬼海さんの写真が好きな人は、うちの服も好きなんじゃないかとも勝手に思っています。ご冥福を心よりお祈りします。

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TOKURO AOYAGI 青柳 徳郎

NEPENTHES ディレクター。1970年生まれ。東京都出身。