#86

5月で41歳になる。
思えば自分のこれまでの人生のほとんどは平成でできていたんだなあと
令和の前日になって少ししみじみした。

沢木耕太郎さん著『世界は「使われなかった」人生であふれてる」を思った。
ほんの小さな決断や選択によって、手に入れられなかった人生がある。
それは手の届かない夢、みたいな意味合いを含む「ありえたかもしれない人生」とも言えるんだけど、
「使われなかった人生」にはもっと具体的で実現可能な人生、みたいな意味が込められている。
そんな「使われなかった人生」を映画の中に探し求めた映画時評だ。

大学を辞めていなかったら、古着屋で働き続けていたら
1人でも音楽を続けていたら、フラれて諦めていたら
裏切られても妥協していたら、ヒヨってそこに居続けていたら。
(ちょっと後半2つは具体的に書けないんだけど 笑)
自分の平成にも「使われなかった人生」がいろいろあったんだな。

自分の「使われなかった人生」に
ありがとう、すまんねと軽やかに挨拶してあげようと思った。
こっちの人生もいろいろあるけど、後悔も後戻りしたいもなく
未来を見つめて楽しくやってるよ、と。
なんてったってこっちの人生は、よき人たちとの出逢いで溢れてるから。
よき人たちとの出逢いが、こっちの人生をふくよかにしてくれてるから。

令和も「こっちの人生」を歩いていく。
愛されたいなら愛するを胸に。

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A.D.O 亜童

A.D.O 亜童

フリーランスの編集者、ライター、ディレクターとして雑誌やWEB、広告、映像のディレクションをつとめる。昨年、自身のクリエイティブ・カンパニー「E inc.」を設立。新たなコミュニケーションを模索中。人生一度きり、の思いを掲げ、自らのお尻を叩きながら前へ前へ。鹿児島出身、目黒区在住。
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