またもや、週末にカントリーサイドへ小旅行。海が見たい、という私のリクエストに友達が選んでくれた旅先は、イングランド南部のイギリス海峡にある海岸、ジュラシック・コースト。
ジュラシック・コーストとは、デヴォン州東部のエクスマウス近郊のOrcombe Pointから、ドーセット州東部のスワネイジ近郊のOld Harry Rocksまでのおよそ153キロメートルにわたってのびている海岸で、2001年にユネスコの世界自然遺産にも登録されました。この海岸の地層は中生代にあたる三畳紀、ジュラ紀、白亜紀の断層で構成されていて、2億5000万年もの前の地層が露出していて、海岸の岩場にもアンモナイトの化石がびっしりあるそうです。
車が渋滞していなければ、2時間くらいでいけたのだけど、結局ロンドンを脱出するのに1時間もかかり、その上かなりアンラッキーなことに、もう少しで目的地というところで、トラック横転の大事故での大渋滞に巻き込まれ、なんと5時間以上ものドライブでやっと到着。早速、パブに駆け込みパイントを飲み干す。別に地ビールとかでもない普通のラガーなんだけど、長旅の後と、違う土地で飲むということで、一段と美味しい。
宿泊した町はウェスト・ラルワースというとても小さい町。約100メートル程の道にホテルやパブ、やレストランが並ぶだけ。レストランといっても3件しかなく、そのうちの2つがパブ。この3つのチョイスでどこに行くか迷っていたので、オンラインでレビューを見てみることに。残念ながらどのレビューも最悪の内容だったから、仕方なく人がたくさん入っている所へ行くことにしました。結局、お料理はレビューに書いてあったコメントほど悪くはなく、普通に美味しかった。
話は反れますが、最近ホテルやレストラン、映画などのレビューのサイトがたくさんアップされています。基本的に読まないようにしているのですが、たまに読むとやっぱり後悔してしまいます。専門家が書いているレビューや記事は別として、素人が残すコメントは誰が書いているかがわからないから、その情報をどこまで信じていいのかわからない。でも、つい読むと信じてしまって判断が鈍くなり結局はありがた迷惑というか余計なお世話というか、とにかく厄介なものだなあといつも思ってしまいます。
先週も、友達の誕生日に行きたかったレストランのずべてが満席で、行ったことの無いレストランを必死で探していました。ようやく3つくらいのレストランに絞ったところで、好奇心でちらっとレビューのサイトをみてしまったら案の定、「値段が高い割には、食べ物はまあまあ」とか「最高に美味しかった」とか「レストランの内装が余りよくない」とか、いろんなコメントが目に入ってきて、あーやっぱりみるんじゃなかったと後悔。やっぱりどこに行けば良いか分からなくなってしまった。結局は予約したレストランがとっても美味しくて、「食べものがまあまあ」なんて言った人の味覚があやしい。人それぞれセンスも違うければ意見も違う。何よりも自分の目でみて、体験するのが一番だ。
そんなことはさておき、到着した日はもう時間が遅かったので、辺りは真っ暗で何もみる事ができなかったから、楽しみは次の日の朝。もちろん事前にどんなところかは調べて、友達からも聞いていたんだけど、朝起きてカーテンを開けると快晴で部屋からはチラッと海が見えている!キラキラしていてとっても綺麗。はやくあの写真でみてた景色が見たくて、朝ごはんを食べているときからそわそわ。
支度をしてまず最初にDurdle Doorへ歩き始めました。長年の波と風化でできたこの自然のアーチはとってもドラマティック。ここへ行くには断崖の上を40分ほど歩くのですが、崖の淵にはフェンスがある所と無い所があり、スリル満点。というか、落ちたら終わりなんですが...。そして次はLulworth Coveに。来た道をまたホテルの方に戻っていくのですが、途中でアイスクリームを買って、今度は崖の反対側の丘からの景色が観たかったから、その丘をゆっくり登りました。崖の方を歩いている時は、海からの風が崖に当たって、風は基本的に上方向にいくので、思ったほど風が強くなくて快適に歩けるのですが、丘の天辺は海からの風が直接あたるからすごい風。その天辺で写真を撮ってもらっているときに、ちょっとバランスを崩して、その瞬間に突風が吹き、一瞬で持っていたアイスクリームが飛び、そのアイスクリームと共に地面に横たわっていた私(笑)。カメラを構えていた友達も、一瞬で私が消えてびっくり!2人で大笑いでした。崖っぷちじゃなくて良かった~。そしてLulworth Cove到着。この入り江は上空から見ると貝殻のような形をしています。この辺りの地層と土の種類で、長年にわたって波が陸を削って、できたこの入り江もとっても素晴らしい景色でした。
以前ウェールズへ行ったときのコラムに、危険地帯のことを書きました。この危険地帯というのはイギリス陸軍の訓練場だったのですが、なんと今回もこんなに素晴らしい景色の長閑な町にイギリス陸軍の敷地があり、今でも普通に訓練が行われていました。特にこの辺りは戦闘機の倉庫があったり訓練をしていて、道の標識にも戦闘機が通りますというサインがあちらこちらに見える。赤い旗が揚がっている時は訓練中で、夜もヘリコプターが盛んに飛び交ったり、昼間は銃声もたまに聞こえたりして、なんだか不思議でした。
宮迫 亜矢 AYA MIYASAKO
1998年渡英。
ロンドンを拠点にフットワーク軽く世界を飛び回り、ホーム&
アクセサリー
デザインの分野でディレクター、コーディネーターとして活躍中。京都出身。