今年のロンドンの夏は最悪の夏と言われたくらいで、7月、8月に最高気温27度の日が何日かあっただけで、8月半ばには最高14度という寒い日もありました。8月最後の週に行くクロアチア旅行だけを楽しみにして、一ヶ月近くカレンダーにXのマークを書いていくように一日一日カウントダウン。そしてやっとその日が来ました。
出発前夜は今年一度も履く事ができなかったサンダルや、春に買って一度も着る事が出来なかったサマードレスをスーツケースにつめて、さあ、麦わら帽子をかぶって出発です。クロアチアの気候は34度。これこそが夏の気温。飛行機から降りた瞬間の熱気がたまらなく気持ちよかった。クロアチアは今回で2回目の旅です。去年はスプリットという街からフェリーでヴィスという小さい島に行きました。今回はスプリットに2泊して、その後はドゥブロブニックというクロアチアの南の街へ4時間かけてバスで移動です。
クロアチアはまだEU加盟国ではないので、ユーロが使えないから、クロアチアのお金に換金するために、前日に銀行に行きました。泊まるアパートメントがクレジットカードでの支払いを受け付けていなく、結構なキャッシュを換金しなければならなかったから、それだけのキャッシュが銀行にあるか心配だったのですが、何の問題もありませんでした。今年の夏は銀行のお姉さんもびっくりするくらいたくさんの人がクロアチアに行くためにお金を換金に来たらしく、ロンドンからの観光客も年々増えている様です。日本からもクロアチア旅行のツアーがたくさんあるらしく、今まさに流行の観光地なんでしょう。ロンドンからは2時間ちょっとでいけるし、お天気も良いし、奇麗な国だし、物価もまだ安いし、私のお気に入りの国の一つでもあります。
アドリア海に面しているクロアチアの反対側はイタリアで、ヨーロッパ各地からクルーズでクロアチアに訪れる人達も多い。スプリットでもドゥブロブニックの港にも、一軒家よりも高い大きな豪華なボートがずらりと港に停泊している。そのなかでパーティーをする若者達をみているとラッキーだな~と思わず呟いてしまった。笑 クロアチアはそんなリゾート地としても有名で、特に夏は世界中からの観光客で賑わいます。
今回の旅行では、ドゥブロブニックという街に行くことが私のメインイベント。スプリットからは飛行機でもいけるのですが、今回はバスでいくことに決めました。アドリア海沿いをバズでゆらゆらと4時間の旅です。ドゥブロブニックにいく途中ではボスニアヘルツェゴビナの国を通過しなければならなくて、国境ではパスポート検査がありました。ボスニアヘルツェゴビナというと、なんだか暗くて物騒なイメージもあったけど、パスポートチェックもすんなりと終わり、何の問題も無く、無事に通過。噂では時間帯によっては国境で時間がかかるかもしれないとのことだったけど、すんなりと通過できて、安心。
クロアチアやボスニアヘルツェゴビナは、旧ユーゴスラビア社会主義連邦共和国が成り立つ6つの国の一つで、クロアチアは1991年に独立し、ボスニアヘルツェゴビナは1992年に独立しています。ユーゴスラビアの独立戦争は今でもまだ記憶に新しい戦争です。でもそんな戦争があった国とは思えないくらいに穏やかで、美しい国でした。
スプリットとドゥブロブニックの旧市街はユネスコ、世界遺産に加盟されているだけあって、素晴らしい町並みでした。とくにドゥブロブニックの旧市街はほんとうに奇麗だった。暑い日差しの中を旧市街の城壁を歩いた。汗だくになったけど、城壁からみる旧市街は今までに見た事のないタイプの街並で感動しました。城壁の真下にはビーチがあり、若者達が高い岩から真っ青のアドリア海に飛び込みをしているシーンも夏らしい。どこのビーチも水は透明で真っ青、奇麗という言葉しか出てこなくて何回この言葉を口にしたことか。ちなみにクロアチアのビーチは大半が砂ではなく、砂利のビーチで、ゴツゴツした岩だらけのビーチもたくさんありました。残念ながら今回の旅行では海に行く機会はなかったから、海岸でのんびりと寛ぐ人達を遠目に私はひたすら観光地をまわりました。もう少しながく休みが取れたら、ビーチでもゆっくりできたのですが、まあ遠目にみているだけでも十分だった。
ドゥブロブニックに2日間の予定だったのですが、あまりにも小さな街だったので、急遽モンテネグロにもいくことにしました。モンテネグロはドゥブロブニックから約一時間ほどで行けるので一日観光のツアーのバスもたくさんの旅行会社からでています。モンテネグロは2006年にユーゴスラビアから独立した、世界で一番新しい国です。私のツアーはコトルという小さい湖の街に行ったのですが、ここはクロアチアの街よりもなんとなく、暗い感じの街で、まだユーゴスラビアの雰囲気が残っていたような感じがしました。
観光に、たくさんのシーフードに、青い空に、青い海、そしてなんといっても夏の太陽を満喫してロンドンに帰って来たら、お天気は良いけれど空気は冷たく、辺りにはもう黄色い落ち葉が広がっていて、もうすっかり秋に。
何だかとっても寂しい気持ちになってしまいました。
宮迫 亜矢 AYA MIYASAKO
1998年渡英。
ロンドンを拠点にフットワーク軽く世界を飛び回り、ホーム&
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デザインの分野でディレクター、コーディネーターとして活躍中。京都出身。