ウェールズはイギリスの南西に位置する、イギリスを構成する4つの国の一つです。ロンドンから車でウェールズにいくとThe Second Severn Crossingという橋を渡ります。その橋を渡ると左側に大きくウェールズ語で「Croeso i Gymru」と、英語で「Welcome to Wales」と書かれた看板が出迎えてくれます。
ウェールズ語は今現在でも使われている言語ですが、南ウェールズでは主に英語を話し、北ウェールズでは今も英語ではなく、ウェールズ語だけを話す地域もあるそうです。ウェールズ語は英語とは全く似てもつかない言葉で、スペルも発音も全然違うので、イギリス人でさえ全く意味不明。現在でもウェールズの学校ではウェールズ語の授業もあり、ウェールズ語のテレビ番組もあって、歴史ある文化を残そうと努力しているそうです。
私が始めてウェールズを知ったのは、高校の時に通っていた英会話学校の先生がウェールズ出身で、イギリスの中にある国なんだよ、と言われた時は冗談を言っているのかと思ったくらい。そこで地図を見せてもらい、本当にウェールズがあることを知りました。小さい国だけど、有名人もたくさんいます。そう、なぜだか「歌の国」とも呼ばれていて、確かにウェールズ出身の歌手、バンドも多い。それから、よく男性陣からウェールズ出身の女性は美しいという発言も良く聞きます。
そんなウェールズへ、4人での小旅行。金曜日の仕事が終わってから、ロンドンを脱出するのにものすごく時間がかかったけど、そのあとはスイスイっと約3時間程でウェールズに到着。お天気は残念ながら曇りで肌寒い。空は灰色で、厚い雲に覆われていました。でもそれはそれなりに、ウェールズらしくて良くもあり、雨さえ降らなければ、それで良し。実際雨は一回も降らないで、2日目は晴れ間も見え、お天気には見舞われてラッキーだった。ウェールズで有名な国立公園ブレコン・ビーコンズまでドライブ。幾つかの、丘と広大な草原から成るこのブレコン・ビーコンズはイギリス独特の荒々しいランドスケープがダイナミックに広がります。そして分厚い灰色の重い空が愛称よくて、私はこういう景色が結構好き。
車で走っていると到る所に、危険地帯という看板がみえる。何が危険地帯なのかわからず車を走り続けていると、銃をもって走る陸軍が見えた。腹這いになって銃を構えている兵隊たちもたくさんいて、危険遅滞というのは彼らの訓練をする場所だったのです。でもその危険地帯の道を挟んですぐ横には、かわいいひつじちゃん達が草を食べていて、この長閑な場面とは正反対に、お向かいでは軍服をきた兵隊たちが、訓練をしているというなんだか不思議な場所でした。
今までずっとやりたいと思っていた乗馬にも挑戦。少し心配だったけど、お姉さんに馬を選んでもらい、10分程度の説明でさあ出発。ちなみに私の馬はリコーという小さいオス馬。サイズが一定のサイズより小さい馬はポニーというらしく、私のリコーはポニーだった。乗馬というだけに、ポニーではなく、「馬」に乗りたかったけど、最初だから仕方がない。しっかり訓練されたここの馬は初心者でもすぐに乗ることができる。でも出発してまもなく、いきなり車道を歩く。機械じゃなくて生き物をコントロールするって初めてだったからちょっと不安ぎみ。私のリコーはよく道脇の草に気をとられ、ムシャムシャ草を食べはじめる。前の馬と間隔がひらくから、動けという指示をするんだけど、草をたべさせてあげたいという思いもあり、なんだか申し訳ない気持ちでした。撫でてやっても、犬みたいにしっぽを振ってくれないし、基本的にずっと寂しそうな目をしている。もう少し馬のことを勉強しておけば良かったとちょっと後悔。
お姉さんがいうには馬も性格というものがあり、リコーは前の馬にくっついて歩くのが好きで、ずっと誰かの後ろをテクテクとマイペースで歩く。友達の馬は先頭を歩くのが好きな馬で、最初から最後まで先頭をきって歩いていた。リコーの前を歩いていた馬は他の馬にちょっかいを出すのが好きな馬で、リコーによくキックをいれる。その度にリコーは崖っぷちにジャンプしたり、大きな岩の上にジャンプしたりと、乗っている私はドキドキもの。しかもその馬は、何を食べたのか(もちろん草)、プップ、プップとリコーの顔面をめがけておならをしながら歩く。動物だから仕方がないというか、彼らにとったら日常茶飯事のことだけど笑いが止まらなかった。そうしたら後ろの友達が、僕の嫁のおかあさんみたいだって、あー人間も同じ動物だ~。笑
丘の頂上まで行き、帰り道は違う道を行く。途中にヘーゼルナッツが繁る木のトンネルを抜けたり、小さな川を馬にのって渡る。映画のようで大満足でした。馬小屋に帰ってきて馬からおりると、下半身が氷のように凍っている。次の日は地獄のような筋肉痛だったけど、懲りずにまた乗馬に挑戦したいです。でも次回はリコーより大きい「馬」に乗りたいです。
宮迫 亜矢 AYA MIYASAKO
1998年渡英。
ロンドンを拠点にフットワーク軽く世界を飛び回り、ホーム&
アクセサリー
デザインの分野でディレクター、コーディネーターとして活躍中。京都出身。