#78
眠る前に読もうと、積ん読の本棚から取り出した1冊の本。
高価でも特別でもない、もっと言えばどこにでもある文房具たちに焦点を当てた
愛すべき片岡義男節。
文房具を並べて、光の加減を見て、片岡氏自らフィルムカメラで撮影した写真たちが
これまた素晴らしく、すっかり頭の中は物欲でいっぱいになる。
眠くなるわけがない(笑)。
中でも強烈に残ったのは「リーガル・パッド」のページ。
少し抜粋を。
リーガル・パッドのリーガルとは、罫線のありかたよりもはるかに、物事のとらえかた、ものの考えかた、論理の展開のさせかたなどを、意味する。自分の論理を強めたり補完したりする可能性のあるものは、ひとつ残らず書き出して列挙し、それらを作戦的にいろんな方向から観察し、取捨選択しつつ修正をほどこし、論理の筋道を作り、それに沿って論理を組み上げていく。そしてその論理によって、いかなるかたちにせよ、自分を勝利へと導いていく。リーガル・マインドの基本はこれであり、これはアメリカ社会のあらゆる細部にまで、徹底して浸透している。自分の頭のなかにあるもの、資料のなかにあるもの、あるいは他の人たちから手に入れるものなど、使えそうなものはすべて書きとめておき、机の上に広げて何度も観察しては、論理の筋道を探すための基礎材料となるもの、それがびっしりと手書きされた何枚ものリーガル・パッドの紙なのだ。
この言い回し。えも言われぬ説得力。リーガル・パッド、、かっこいい(笑)。
会議や打ち合わせはもちろん、原稿執筆や企画の考察など
メモすることや調べ物をするのは必須の仕事だから、と自分に言い訳をして
寝不足のまま渋谷の伊藤屋へ。
伊藤屋オリジナルのリーガル・パッドを無事購入。
自分は方眼タイプを選んだ。
分厚い台紙の安定感、マイクロミシンの目入りだから切り取りやすく
何よりペンの滑りがとてもよい。
高く積まれたリーガル・パッドの横にあったのは、、
伊藤屋オリジナルのリーガル・パッドホルダー。
ビニールレザーなんだけどずっしりしっかりしていて
マットな質感もとてもよく。ペン差しやカードホルダー、資料を挟むポケットまでついて
お値段1200円ぐらい。買わない理由がない(笑)。
実はリーガル・パッドには過去何度かお世話になっていて
家には中途半端にメモ書きが残ったリーガル・パッドが数十冊あったりする。
いろんなメーカーから出されているんだけど、家にあるリーガル・パッドは
コストコでまとめ買いしたもの。紙質が良くなくて、書くのが辛くなってしまって
放置している状態。
その時に使っていたリーガル・パッドホルダーも引っ張り出してきた。
スイス軍のブランケットを使ったリメイクもの。
分厚いレザーを使って、ポケットの機能性も素晴らしい。
でも、とにかく重い(笑)。
好きなんだけど。
そう言えばなぜ紙の色が黄色なのか、って話。
正式な文書は白、リーガル・パッドはメモとしての役割だから黄色?
いろんな文書に混ざってもすぐに判別できるように、とか
知性を刺激する色であると考えられていた、とかとか。
黄色で思い出したんだけど
このノートも黄色だった。
好きすぎて2冊買ってたのを忘れていた。