エリザベス女王即位60年、ダイアモンド・ジュビリーを記念し、ヴィクトリア・アンド・アルバートミュージアムで、エリザベス2世のポートレイト写真展が開かれています。これらの写真を撮ったのは、王室のプォトグラファー、ファッションプォトグラファー、コスチュームデザイナーとしても有名な、セシル・ビートン。2年程前のコラムで、「Bright Young Things」について書いた時にも、彼の事をちらっと紹介しました。私の大好きなプォトグラファーでもあるので、今回このエキシビションの事を知った時はとっても嬉しかった。
セシルは王室のプレス用写真を主に撮り続けました。今回のエキシビションに展示されている写真は、プリンセス・エリザベスが1942年に初めてビートンの前に座った、ポートレイト写真から始まります。まだ16歳の頃です。彼女と妹の、プリンセス・マーガレットとのショットなど、とっても可愛らしい。このように可愛らしいただの16歳の少女を感じるさせる写真もあれば、もうこの頃から自分が将来イギリス女王になるという意識がもうすでにあったのか、勇敢で凛々しい16歳のエリザベスの写真もありました。
エリザベスが10歳のころに彼女の父が、彼のお兄さんであるエドワード8世から王位の座を即位してジョージ6世となりました。そしてこの時点で長女であるエリザベスが自動的に、王位継承者になりました。この16年後、彼女は、たったの26歳でイギリス女王になりました。たったの26歳です。女王になるための知識、任務、責任、全てを身につけるために父のジョージ6世の元で熱心に勉強をしたそうですが、それでも26歳というのは若すぎる。
一枚目の写真が、その即位式の日の写真です。初めてこの写真をみたのですが、いかにもファッション誌にでてきそうな写真。とっても奇麗。これ以外の写真は女王としてのエリザベスというか、一人の女性としての写真が多かった。3枚目の写真では母親としてのエリザベス。まさかこんな一面もみることが出来るなんて思ってなかった。
私のエリザべス女王のイメージは正直にいうと、人間ではなくロボット。彼女が普段、どういう毎日を過ごしているのか、どういう性格の持ち主なのか、とっても想像することがでません。彼女に感情はあるのでしょうか?テレビでは真剣な顔か、もしくは上品な笑顔を作っている顔しかみないので、こセシルの写真を一枚一枚みることによって、だんだんと謎が溶けていって、なんとなく彼女が人間に近づいたような、そんな感じがしました。
美術館には80年代に描かれた、あの有名なグランドキャニオンの絵もありました。この絵が展示している部屋にはロサンゼルイギリス人の友達や、新聞、雑誌の記事なんかでよく彼女の事を聞いたり、読んだりするのですが、なんでも彼女は大型車の免許をもっていて、トラックなども運転できるとか、軍事学校でエンジニアを勉強しているため、車も自分で整備できるとか、カントリーサイドでは今でも乗馬を楽しんでいるとか、私の想像を遥かに超えるほどアクティブで、私のイメージする上流階級の女性でもなさそうです。まあ確かに、ただの上流階級の女性だったら、26歳の若さで、イギリスと16国家の女王として、60年も勤まらないか。
しかもイギリスは法律や、国の重要な判断を最終的に決断するのはクイーンです。彼女がどれだけこの国の為に勤めているかがわかります。今年で86歳、まだまだ現役す。素晴らしいというか、やっぱりある意味ロボットなんじゃないかな〜。笑 いやいやそれは冗談で、女王として、女性として、母親として、妻としての彼女に、改めて尊敬です。
宮迫 亜矢 AYA MIYASAKO
1998年渡英。
ロンドンを拠点にフットワーク軽く世界を飛び回り、ホーム&
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デザインの分野でディレクター、コーディネーターとして活躍中。京都出身。