ロンドンに住んでいる人には、週末をカントリーサイドのコテージでゆっくり過ごすという人達がたくさんいます。自分のコテージを所有したことない私は、金曜日の夜に出発して日曜日の夜にまたすぐ帰って来ないといけないというが、ゆっくりするどころか逆にバタバタする週末になってしまうんじゃないかなと想像していました。
先週末、友達がコテージに遊びに行くというから、私も一緒に連れて行ってもらいました。金曜日の夜、仕事が終わってから1時間半くらい車を走らせて、イーストサセックスの小さな村に到着。可愛らしい、とってもイングリッシュなコテージだった。その日はみんな仕事で疲れていたので、途中でフィッシュ&チップスを買い、それを夕食にした。ロンドンで食べるフィッシュ&チップスより、郊外で食べる方が魚が新鮮でとっても美味しい。でも、魚もポテトも揚げ物なので半分までは美味しく食べられるのですが、だんだんと食べるペースはだんだん落ちていってしまいます。どれだけお腹が空いていても、どれだけ久しぶりに食べても、全部食べきることが出来ないのが残念。でも、最初にイギリスのチップス (フライドポテト)を食べた時の感動は忘れられない。フレンチフライに比べたら太くて、ジャガイモの味がちゃんとするチップスは格別だと思った。基本的にカリカリのチップスより、ど
ちらかというと柔らかい方が好きな私にはイギリスのチップスは最高に美味しいと思う。フィッシュもチップスもどちらも美味しいのですが、ただ単にお料理の量が多いから、食べきれなくて味に飽きてしまいます。もうすこし少ない量だったら美味しく食べきれることができるのに。
さて、話は戻って、お腹がいっぱいになったあとは、ロングウォーク。
夕食で接種したカロリーを消耗しようとみんな必死で、ひたすらフィールドを歩いた。空気が綺麗で自然のにおいがする。夏は日が長いから、夜の9時頃でも懐中電灯なしで外を歩くことができた。羊がうろうろするなかをウサギがピョンピョン跳び跳ねるなかを歩いた。なんだかディズニー映画のシーンにでてくるように、トリや、ウサギや羊が歌いながら私たちを歓迎してくれているみたいでした。しかもこの辺りでは、野生の鹿もみることができると友達が説明してくれた。この辺りというか、イギリスの郊外では普通に野生の鹿はたくさん住んでいるそうだ。でも、珍しがっているのは私だけ。自分が野生の鹿を見たことがあるのかどうかは定かではない。たぶん無いと思う。別に都会で育ったわけでもないけど、野生の鹿に出会った覚えはない。あのディズニーのバンビと同じのが森の中に住んでいるというから、これは絶対にみてみたい。
バンビをどうしてもみたかったから木が茂った方へと歩いて行くことにしました。しばらく歩くと、ほんとに目の前にそーっと、一頭の鹿が現れた。じっと私たちの方を見つめながら静止している。とっても神秘的だった。写真を撮りたかったけど、カメラを構えた瞬間に森の中に消えていってしまった。夢のような体験でした。
ロンドンから一時間半でこんなに自然がいっぱいな所に来ることができるなんて思ってもみなかったから、なんだか不思議な感じだった。こんなことが毎週できるのなら、短い期間でもカントリーサイドに来る価値は十分にある。ロンドンでの週末だと、どうせ友達と飲みにいくとか、近くの公園に行くだけだ。ロンドンの公園は天気が良ければ人でいっぱい。もちろんそれはそれで楽しいけど、カントリーサイドの週末がこんなに優雅なものなんて思ってもみなかったから、これこそが最高の週末の過ごし方と言ってもいいと思いました。そして極めつけは、コテージに戻る途中にフィールドの果てにみえた真っ赤な太陽。とっても素敵なサンセットでもう大満足だった。
コテージに戻ってからは、建物がとっても古いということもあってすきま風も多く、7月というのにとっても寒い夜でした。ヒーターもあったけど友達が暖炉に火をつけてくれた。暖炉の火をみていると、とても7月とは思えない。7月でこの寒さだったら冬はどんなに寒いのだろう、考えただけでも身体が凍える。でも、このフィールドの雪景色もとっても綺麗なんだろうなと思うと、寒さに耐えられるかが不安だけど、冬にも一度来てみたいと思う。
次の日はみんなで朝御飯の支度し、なんだかキャンプをしてる様で楽しい。そしてみんなで友達の車を洗う。どうしてこういう流れになったのかはわからないけど、楽しいからこれもまた良し。必死で車を掃除して、そしてお決まりのパブへ。外のテーブルに座ってビールを飲んでいると、足首と手の甲
がチクチクして痛い。あれだけ気を付けていたのに、ネットルにやられてしまった。ネットルとは雑草で、見た目は大葉のような草。ロンドンでもよくみかけるけど、郊外に行くと、どこでも生えている。そして少しでも触れると、葉っぱの小さいトゲというか、毛が皮膚に刺さる。毛は非常に細く、刺さる量も大量なので、毛抜きで抜けるようなものではない。そして刺された瞬間はわからないけど、後からじわじわときて、どうすることもできないという厄介者。しばらくすると痛みは引くから、別に大した事はないのですが、どれだけ気を付けていても、いつもやられるから、ほんとうに悔しい。
そんなこんなで、日曜日の夜にロンドンに戻ってきたけど、想像以上にとってもリラックスできた週末だった。やっぱり環境を変えると心身ともに再起動するみたいで、とってもいいリフレッシュになったと思う。最高な週末を過ごすことができてとっても満足です。
宮迫 亜矢 AYA MIYASAKO
1998年渡英。
ロンドンを拠点にフットワーク軽く世界を飛び回り、ホーム&
アクセサリー
デザインの分野でディレクター、コーディネーターとして活躍中。京都出身。