スティーブ・ジョブズが亡くなりました。
恥ずかしながらスティーブ・ジョブズのことをこれまであまり真剣に知ろうとしておらず、ちょうどのタイミングで彼の神がかかったプレゼンテーションのことについて書かれた電子書籍を購入した矢先の訃報だったので、とても驚きました。その日はあらゆるメディアはジョブズで溢れて、アップルストア前には花が添えられ、R.I.P.のメッセージや彼の写真が届けられていました。FACEBOOKでたまたま再生したジョブズのスピーチ映像。スタンフォード大学の卒業生へ向けたメッセージ。初めてみた彼のスピーチに心を鷲づかみにされました。素晴らしい翻訳サイトがあったので、こちらを参照・引用させてもらいたいと思います。全文はこちらを読んでいただければと。
https://sites.google.com/site/himazu/steve-jobs-speech
ジョブズが話したのは3つ。1つめは“点をつなぐこと”。自分の興味と直感に従った結果出くわしたものの多くは、その後お金に換えがたいものになった、というお話。大学を中退しながらも、強く興味を引かれた当時最高と本人が語るカリグラフィ(文字芸術)の授業に、友人の寮に潜り込みながら通ったこと。10年後、ガレージで最初のマッキントッシュを設計している時に、美しいフォント機能を組み入れる発想が生まれた、と。そして彼はこう結びました。「先を見通して点をつなぐことはできない。振り返ってつなぐことしかできない。だから将来何らかの形で点がつながると信じなければならない。何かを信じなければならない。直感、運命、人生、カルマ、その他何でも。この手法が私を裏切ったことは一度もなく、私の人生に大きな違いをもたらした」
2つめは“大切なものとそれを失うことについて”。20歳の時に、自宅ガレージにてたった2人で始めたアップルは10年で4000人以上が働く20億ドル企業に成長したけれど、その自らの会社を首になってしまう。30歳にして失職。それでも腐ることなく歩き続け、天才的経営手腕を発揮、再びアップルに戻る。それからのアップルは僕らが知る通り。「信じることを止めてはいけない。私は自分がしていることがたまらなく好きだ。それが私を動かし続けている唯一のものだと堅く信じている。たまらなく好きなことを見つけなければならない。そしてそれは仕事についても愛する人についても真実だ。仕事は人生の大きな部分を占めることになり、真に満足を得る唯一の方法は偉大な仕事だと信じることだ。そして偉大な仕事をする唯一の方法は自分がしていることをたまらなく好きになることだ。まだ見つけていないなら探し続けなさい。妥協は禁物だ。核心に触れることはすべてそうであるように、それを見つければ分かる。そして素晴らしい関係は常にそうであるように、それは年を経るにつけてどんどん良くなっていく。だから見つかるまで探し続けなさい。妥協は禁物だ」
3つめは“死について”。「皆の時間は限られているから誰か他の人の人生を生きることで時間を無駄にしてはいけない。教条主義の罠にはまってはならない。教条主義とは他の人々の思考の結果に従って生きることだ。他の人の意見という雑音に自分自身の内なる声をかき消されないようにしよう。そして最も重要なことは、自分の心と直感に従う勇気を持つことだ。心と直感は本当になりたい自分をどういうわけか既知っている。その他すべてのことは二の次だ」3つめの話をしているこの当時のジョブズが、まさか本当に死んでしまうなんて。
最近の自分はというと、停滞しているなあ、と思っている。やりたいことがあるはずなのに、それはもちろんできていないのに。そうしているうちに朝が来て夜が来て、1週間が終わって季節が移ろう。「亜童が一番やりたいことはなに?」という問いにうまく答えることができず。
取り戻さなければ。人生は一度しかないのだから。
ジョブズの言葉を体に頭にたたき込んで、今一度歩き出すべく。
「Stay hungry, Stay foolish」
「ハングリーであり続けろ。愚かであり続けろ」
亜童 A.D.O
フリーランスの編集者、ライター、ディレクターとして雑誌やWEB、広告、映像のディレクションをつとめる。雑誌『THE DAY』(三栄書房刊)のクリエイティブディレクターとしても活動中。人生一度きり、の思いを掲げ、自らのお尻を叩きながら前へ前へ。
鹿児島出身、目黒区在住。
http://thedaymag.jp/