8月の各週末。
北は札幌、南は鹿児島、真ん中は大阪へと出張続きで終わりました。
某時計メーカーのプロモーションプランを作りまして札幌から主要都市をキャラバンしていく、というものです。
イベントの現場も見つつのお仕事。机上のプランが実際に走っていく感じはとても面白いです。うまくいくこともいかないこともすべては現場でおこります。ファッション誌の編集、ライターからスタートしましたが(今でもやってます)、伝えたいことを色んな方法で、色んなカタチで世の中の人とコミュニケーションしていくことは、とても大きく見れば一緒だと思っています。
いくぶん陽も短くなってきたような感じがして、今は少しセンチメンタル。1発目の札幌。自分のバンドのインストアライブ&3マンライブで呼んでもらった以来2回目の札幌は、涼しいと思いきや全くの真夏。それでもいくぶん夜は涼しくて湿気も少ないところが北海道らしさ。半ズボンに長袖シャツで過ごしました。
札幌の思い出と言えば、ステラプレイス内のレコードショップHMVでのインストアライブを終え、残るは翌日に3マンのライブを控えた夜。なにを思ったのか、なにを浮かれていたんだか僕は飲み会(俗称コンパ)をセッティング。札幌のゴハンは何を頼んでもすべてがバツグンに美味。そしてはっきり覚えていませんが「かわいい子が多い都道府県ランキング」のようなものにおいて、北海道は1位を獲得しており、その席にやってきた女の子たちの可愛さに俄然調子に乗り、飲めや歌えやの大騒ぎ。宴は朝まで続き、飛び交う黄色と黒の笑い声、酒もってこーいっ!の注文の声。ホテルに戻り、仮眠。起床。はい。声が出ない。酒焼け、そして夜通し声の出し過ぎ。満員のお客さんを前に、僕らを呼んでもらった音楽関係者の方々を前に史上最悪のライブを行い、東京へ背中を丸めて戻ったという思い出。
時間ができたのでSouth2 West8へ。お久しぶりの永岡さんもお元気そうで、お話ができてうれしかったです。このお店の見所は鹿や熊たちの剥製たち。地元の猟師さんたちが持ってきてくれたものもあるようで、とにかく圧倒的な数なのです。で、この日は数日後に店舗リニューアルを控えていて、お店の整理をしている最中でした。案内して頂いた2階には、ものすごい量の剥製とヴィンテージのバックパックなどが集結。レアな光景を味わえて写真撮りまくりです。人の力など到底およばない圧巻の自然をたたえる北海道。そこで育まれた空気、思想、そこに居る人、訪れる人の好意的な思い、そんなステキないろいろがこのお店には流れているように感じることができて、とても大好きなのです。ルーブル美術館の中がPCの前に座りながら覗けるなんて昨今ですが、その場所に足を踏み入れて手に取りながらミュニケーションする喜びと興奮には敵うはずもありません。北海道に行った際はぜひ行ってみてください。
そして次の週末は鹿児島へ。夏に鹿児島へ戻ったのは大学の夏休み以来なんじゃないかな。夏の鹿児島はとても暑いです。日差しも強烈。からっとしていてニヤける暑さです。19歳まで鹿児島で育ちましたが、あまり自分の育った故郷が好きではなく、だからこそ日本で色々1番の東京へ出て行ったわけですが、ここ数年、実は自分の生まれた鹿児島に恩返しがしたくなっているのです。どこから沸いてきた感情なのか、きっかけさえも覚えていないのです。その第一歩としてのプレゼンも兼ねた帰省でした。目指すものをカタチにするためには、アイディアだけじゃダメ。色んな方の協力やタイミングが必要です。今後も動いていこうと思います。
鹿児島はいろいろ面白くなってますね。こっち(東京)にいて分かることが多いです。アンテナな人たちの間で鹿児島の面白さが伝播しているようです。でも、なにより鹿児島の人があまりそのちょしたムーヴメントに気づいていない感じが面白いです(笑)。
父ちゃん母ちゃんじいちゃんおばちゃんとありがたい家族の時間を過ごせたこともよかったです。墓参りをし、報告とお礼、話をしてきました。
鹿児島空港にはイームズのシェルチェアが並んでいます。イエロー、オレンジのレザー貼りです。カーペットはブルー。このコントラストがなんとも言えずステキ。屈託もなく老若男女が座り、くつろぎ、空へ飛び立っていく。道具として、椅子としてそこに存在しているイームズのこの感じがとても好きです。
そして最後は大阪。ライブでは何度も行ってますが、それ以外では2度目かな。大阪はとにかく暑かった。道ばたに1匹。セミ爆弾が落ちてました。空を見上げれば入道雲がむくむくと浮かんでいますが、セミたちは短い命を燃やし終えて次々と爆弾に。汗だくになりながらも季節が移っていくなあと思いながら過ごしました。なんばにステイしたのですが、まるで神が宿ったような奇跡的な焼き肉店へ連れて行ってもらいました。18時オープン、21時閉店。営業は平日のみ。アニメのようなサシが入った肉をほおばり、噛みしめました。
そして季節は9月へ。
9月は久しぶりのSUNABAレコーディングも行おうと思っています。
色んなコトを動かしていく月にしようと考えている昨今です。
亜童 A.D.O
フリーランスの編集者、ライター、ディレクターとして雑誌やWEB、広告、映像のディレクションをつとめる。雑誌『THE DAY』(三栄書房刊)のクリエイティブディレクターとしても活動中。人生一度きり、の思いを掲げ、自らのお尻を叩きながら前へ前へ。
鹿児島出身、目黒区在住。
http://thedaymag.jp/