「よかったら考えてみて」
そう声をかけて頂き、あーでもないこーでもないと考えてこんなんだったら楽しいなあ、こんなんだったら読みたいなあと考えていろんな写真集やら資料やらかき集めてやっと作成した企画書。昨年12月頭に提出期限だったのに、その近辺に抱えていた仕事やら音楽やらで、すっかり年末の師走の空気にまみれてまみれてしまっていた。
なんとメール送信ボタンを押したつもりで年を越してしまっていたことを声をかけてくれた編集者からのメールで知る。「そういえば企画書って送ってくれたの?送らなかったんだったらそれはそれで連絡ちょうだいね」大きく焦る。動揺する。実に締め切りから1ヶ月の時間が経っていた。
せっかくお話を振ってくれた方の善意と期待に対するものすごい申し訳ない気持ちと、いい加減なヤツだなあ、と思われているんだろうという切なさとで悲しい気持ちになりながら謝罪文と共に、せっかく作ったので。。。と企画書も送信。当然、僕の企画書は採用も不採用も、提出期限に間に合っていないので話になるわけもなく。何年この仕事やってんだ、とすっかり落ち込んでいた。
数日後、電話がなる。
期限は当然過ぎており、他のプロジェクトが進行してしまっているのだけどもとても面白かったので、実現できなかったのが残念なんですが。。。とのお話。もしよかったら他のプロジェクトをやってみませんか、と。さらにそれから数日後。以前初めてお仕事させていただいたプロジェクトがとても反響がよく今一度ディレクションを、とクライアントからのお話。さらに、いつも自分の好きなイメージをカタチとして残させてくれるブランドさんからのオファーも。とてもとてもありがたい。
洋書屋さんに通い、こもり、写真集をひたすら眺め、ピンときた本をかき集めイメージを膨らませていく。けっこうひたすら苦しいんだけどすっきり風通しがよくなる瞬間があったり、完成が見えて来たりすると気持ちいい。あとは信頼するスタッフさんたちにお話をしてそこから一気に完成に向けて走っていく。プロフェッショナルなみんなの力をお借りして。
まだまだ現在進行形だけど、いい感じの流れがあるような気がしている。
自身のバンド “SUNABA” を解体した。メンバーチェンジもあったりしたが、10年以上酸いも甘いも一緒に過ごしてきたバンド。いろんな想いは WEB(
www.sunabaclub.com)に綴っていますので、よかったら覗いてみてください。これからは自分自身に責任を集めて、ソロとして活動していこうと思っています。まだまだいろんな現在進行形がある。それも自分次第。気張ろうと思う。
ところで、先の話で、自分が送った気になっていた企画書。テーマは「プレッピー」だった。回顧的、伝統的なプレッピーではない解釈で現代を意識したプレッピーとは、というテーマでいくつか企画を考えたのでした。せっかくなので企画書の頭に書いた宣言、というか自分なりに辿り着いた現代のプレップの考え方をここに記しておこうかな、と。せっかく作ったし 涙。
「オレはこう思うぜ、これはこうなんじゃないか?」なんてお酒でも飲みながらみんなであーだーこーだ本とか服とか音楽の話ししてたいなあ。いつまでも。
プレッピーは“ルールを破る人”と考える。
プレッピーは見てくれじゃない。
プレッピーはキレイめな上品スタイルじゃない。
プレッピーはエスタブリッシュメントなものへの反抗じゃない。
プレッピーはパンクじゃない。
クラス、階級もなく
豊かな日常に生まれた僕らにとってのプレップ。
それは高度な異議申し立て方法。
既存のモノ、お決まりのコトに
少しだけ自分なりの“感じ”を加える。
“ルールを破って”
そこから新しい価値を生み出していく。
それが今のプレップである、と考えます。
最近は空気がツンと澄んでいて
空が高くてとてもきれいです。
亜童 A.D.O
フリーランスの編集者、ライター、ディレクターとして雑誌やWEB、広告、映像のディレクションをつとめる。雑誌『THE DAY』(三栄書房刊)のクリエイティブディレクターとしても活動中。人生一度きり、の思いを掲げ、自らのお尻を叩きながら前へ前へ。
鹿児島出身、目黒区在住。
http://thedaymag.jp/