パパはね。。月に2回だけ東京大学付属病院に行っている。病院の敷地内にある「マクドナルド・ハウス」ってところでボランティアとして働いている。もう3年くらいになるかな。
公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン
そのマクドナルド・ハウスの活動が認められて、東大から表彰を受けることになったよ。
パパはボランティアスタッフの代表として授賞式に出席させてもらったよ。
東京大学稷門(しょくもん)賞受賞
東大の偉い先生方と記念撮影。スーツ姿のパパも決まっているでしょ?コナカのスーツ。
子供の病気って「理不尽」だよね。リフジンって分かるかい?「おかしい」ってことだよ。世の中はおかしいことばかりだ。理不尽な世の中だってことはパパだって分かってる。もう大人だから。でも理不尽と戦いたい。理不尽なことが嫌なんだ。やっぱりパパはまだ子供なのかもしれない。
ボランティアの時は掃除ばかりしているよ。静かな施設の中でトイレ掃除をしたり、床に掃除機をかけたり。けっこう好きなんだ。心が落ちつくよ。いつもは仕事のことばかり考えているからね。うん、経営と税金のことばかり考えてる。笑 施設内では病気の子供を看病しているパパやママと話すこともたまにある。みんなリフジンに苦しんでいる。パパにできることは少ない。苦しい、苦しい毎日の中で、少しでもホッとできる場所を作ってあげたい。
ボランティアに行く時は、外来棟と入院棟の横を歩く。救急車の入り口も見える。毎回、ここを通る度に思うよ。「全部、ここから始まった」ブログも写真も本も。すべてはリフジンと戦う為に。「こんなことをして意味があるのか。。」とたまーに思うよ。でも、別に意味なんてなくてもいい。とりあえず続けるよ。
入院棟を見上げると、入院している子供の為のプレイルームも見える。ここで毎日遊んだね。ここだけが遊べる場所だったもんね。
東大は良いよ。構内がとても広いんだ。キミが入院している時は朝から晩まで東大にいたからね。パパはいつも構内を散歩していた。パパは東大に詳しくなったよ。沢山の「門」があるんだ。正門、赤門、龍岡門。弥生門に懐徳門。他にも沢山ある。「鉄門」は東大医学部の愛称。退院の日に三脚で撮った写真。下手くそだね。
正門のあたりの銀杏並木は有名だね。今年もそろそろ葉っぱが色づき始める頃だね。今年も遊びに行こうか。
銀杏並木をまっすぐ進むと安田講堂。テレビで見た学生運動の映像を思い出す。昔の学生さんの熱意に思いを馳せつつ病院の方に向かうと目の前に森が現れる。森の真ん中には「三四郎池」がある。夏目漱石の「三四郎」がヒロインと出逢った場所だよ。この池を上から見ると「心」って漢字の形になっているんだ。キミの入院中、パパは三四郎池を見つめながらおにぎりを食べたりしていた。
パパはね。。東大病院の皆さんにとても感謝しているんだ。恩返しをしたいという気持ちもあってボランティアをやっているよ。東大はパパにいろんなことを勉強させてくれた場所なんだ。誤解されるといけないね。東大は残念ながらパパの母校ではないからね。パパは誰も知らない三流大学をちゃんと卒業したよ。笑 英語とか数学とかじゃなくてさ、、もっと大切なことを教えてくれたんだよ。
キミもさ、ちゃんと勉強したら、もしかしたら東大生になれるかもだよ!
うーーん、、無理そうやな。とりあえずどこでもいいので国立大に行ってくれると助かる!
カルペディエム・ブラジリアン柔術 都内3つめの道場がオープン
「今を生きる人の為の道場です。ブラジリアン柔術を楽しむ分には、
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写真家・川内倫子
「3回手術すれば生きられます」。娘が誕生した翌日、聞かされたのはそんな言葉でした———。
格闘家として身体を酷使してきた父が、心臓疾患を持つ娘との日々を綴った人気ブログ「パパはね。。」を書籍化。軽やかな文体の中に見え隠れする、生と死の脆さ、命のたくましさ、母娘の強さが、著者自身の撮影による瑞々しい写真とともに心を打ちます。
木村伊兵衛写真賞受賞写真家、川内倫子氏も絶賛。