パパはね。。今回の旅はちょっと贅沢をしてみることにしたよ。3泊だけ高級なホテルに泊まってみようと思ったんだ。これぞリゾートって感じだね!パパもテンション上がった!!
ホテルにレンタカーで到着してからドキドキの連続だった。恥ずかしながらパパは初めて、車をエントランスで預けるシステムのホテルに泊まったよ。ハリウッド映画でそんなシーンがあるよね!颯爽と車から降りてキーをボーイさんに渡すんだよね。チップはどのタイミングで渡すのか!?エンジンは切っておくのか!?パパはかなり焦った。
このホテルはロビーが素敵だったね。前日まで泊まっていたホテルとは大違いだった!
もちろんお部屋も豪華だったね。サービスも行き届いていた。困ったのは洗濯。今まで泊まったホテルには必ずコインランドリーがついていたんだよね。3日おきくらいにそこで洗濯するのがパパ達の決まりだった。その為に常にクオーター硬貨を貯めていた。でも、このホテルにはランドリールームは無かった。こんなホテルに泊まる人達はコインランドリーとか使わないんだね。仕方ないのでホテルのランドリーサービスを利用しようかと思った。料金表を見てパパは思わず「オーマイガッ!」と叫んだね。高い!高すぎる!!Tシャツ1枚が7ドルくらい!これは普通に頼むと200ドルくらいになる。。
仕方ない。。パパがバスタブでゴシゴシやったよ。全裸でね。笑 ママの下着も全部。
豪華なお部屋も結局は下着がたくさん干されている状態になってしまったね。笑
パパはね。。このホテルを選んだのはキミが楽しんでくれそうな大きなプールがあったからだよ。
浮き輪がないとダメだけど、キミはずっとプールの中にいたね。
すっかりセレブ気取りだね。三日間だけ。たまには良いよね。
日本人はいなくてアメリカ本土からバケーションに来た人達ばかりだったね。エルメスとかルイヴィトンのバッグを持って歩いているアメリカ人達をパパは初めて見たよ。パパの知り合いのアメリカ人はみんなTシャツ、ショーツ、そしてサンダル。そのTシャツには必ず「OREGON」とか書いてある。笑
3日間ずっとプールで遊んだね。マウイの日差しは強かった。キミもパパも真っ黒に日焼けしたね。この写真にテントみたいなのが写ってるよね。これは「カバナ」っていうもので、予約すると使えるってパパは聞いた。ちょっと日陰の中でのんびりとジュースでも飲んでみようと思った。プールカウンターのお姉さんに予約できるか聞いてみた。
「まあ、ラッキーですね!最後の一つが空いてます!」
「イエス!ではそれを是非!」
「それでは、$490となります。お支払いはカードでしょうか?」
アンビーバボー!$490!! 無理!「おっと忘れていたよ。これからワイフのショッピングに付き合う約束をしてたんだよ。。」とか言いながら逃走した。笑
パパはね。。高級ホテルは疲れた。笑
やっぱり今度からは普通のホテルにしよう。
バーガーキングでもらった紙の王冠。
チープだけど可愛いね。パパはゴージャスなものよりチープなものが好きなのかもしれない。
この旅でも沢山写真を撮ったね。マウイ島はどこに行ってもフォトジェニック。
フィルムがどんどん無くなっていく。
帰りの便が早朝だったから、マウイ最後の日は空港の近くに宿泊することにした。
激安のモーテルだったね。高級ホテルをチェックアウトして、そのモーテルにチェックイン。笑っちゃうくらいチープな部屋だったけど、なんか落ち着いた。笑 天井はすごく低いし、空調はずっとバイクみたいな音を出してた。
パパが大好きな映画「テルマ&ルイーズ」で逃亡中の二人が隠れていたモーテルみたいだった。
「もう、この旅で撮ることはないかな」ってパパはカメラの掃除をした。レンズも外して収納した。
あ、カメラの中のフィルムは使い切らないとね。あと2枚くらい残ってる。なんかテキトーに撮るか。。旅で疲れたママとキミが重なって寝ていた。逆光だし、背景も散らかっているんだけど。。まあいいか。レンズを付けて、ママの足にピントを合わせて撮った。フィルムを巻いてカメラから取り出した。撮影済みの40本くらいのフィルムをジップロックに詰めて冷蔵庫に入れた。
キレイなビーチ、神秘的な森、ゴージャスなプールサイド。。
いろんなところで写真撮ったんだけどね。
この一枚がマウイ島のベストかな。なんだか好きなんだよね。
別にマウイじゃなくても撮れそうな写真なんだけどね。
好評発売中!
このコラムから初の書籍が誕生しました。
ある格闘家の戦いの記録。
いまを残したいというただそれだけの、
でもとても切実な祈り。
日々の小さな幸せは、
実は奇跡の連続なのだと気づかせてくれる。
写真家・川内倫子
「3回手術すれば生きられます」。娘が誕生した翌日、聞かされたのはそんな言葉でした———。
格闘家として身体を酷使してきた父が、心臓疾患を持つ娘との日々を綴った人気ブログ「パパはね。。」を書籍化。軽やかな文体の中に見え隠れする、生と死の脆さ、命のたくましさ、母娘の強さが、著者自身の撮影による瑞々しい写真とともに心を打ちます。
木村伊兵衛写真賞受賞写真家、川内倫子氏も絶賛。