パパはね。。昨日はとてもうれしかったよ。いつものように3人で手をつないで歩いているとキミがママをこう呼んだ。
「おかあさん」
そして、次にパパを見て、
「おとうさん」
ジーンときてしまったよ。ずっと、「パパ、ママ」しか使わなかったのにね。テレビで覚えたのかな?パパはキミのおとうさんなんだよ。当たり前のことなんだけどさ。
パパはね。。道場の生徒さん達にこんな事を聞かれることが多いよ。
「先生、マユちゃんの結婚式では絶対泣いちゃいますよね?」
パパは
「寂しいかもね。。でもずっと独身ってのもねぇ。。いつか結婚してほしいと思うよ」
って答えてる。本当にそう思っているから。キミを溺愛しているように思われているけど、キミはパパの持ち物ではないからね。キミはキミだし、パパの好きなようにコントロールする気は全くないんだ。でも、こないだは本当に辛かった。キミが急にこんなことを言ったから
「ねえパパ。。いつか王子様を見つけたら、マユは王子様と暮らすね。。」
パパは耳を疑った。あまりのショックで何も言えなかった。目の前が涙でいっぱいになって、キミの姿もボヤケて見えた。ついに涙のダムは決壊した。本当にバカだと思うんだけど泣いてしまった。王子様の白い馬に乗ってパパのもとを去るキミ。遠くから少し振り向いてパパにサヨナラの手を振って。。。そんなシーンにトリップしてパパはさらに泣いた。するとキミはティッシュを一枚取ってパパの涙を拭いて
「マユはパパと暮らすね。。」
って言ってくれた。いや、いつか王子様と暮らさないとね。素敵な人を見つけておくれ。
パパは自分を論理的な人間だと思っている。でも、キミの前では全ての論理が吹き飛んでしまう。きっと世の中のパパはみんなそうなんだろうね。
最初に彼氏が挨拶に来る時は事前に教えてね。パパと生徒さん100人で道衣でお迎えするね。
パパはね。。最近は腰痛で困っているよ。。パパのカメラはとても大きいからね。とてつもなく重い。10枚撮ったらフィルムを交換しないといけない。フィルム代、現像代もけっこうかかる。ポケットに入るデジカメと比べると大変なことばかりだね。でも、やっぱりこれでキミを撮るのが好きなんだ。
祈るような気持ちでキミをカメラの中に一発で閉じ込める。そんな気持ちさ。閉じ込められた小さなキミは1週間後に写真屋さんの封筒に入って戻ってくる。写真を見るのは家まで待てない。絶対に電車の中で封筒を開けてしまう。他人の目も気にしないでパパはニヤニヤしながら写真を見てる。ピントが合っていて、キミが笑ってくれていると嬉しい。ピンぼけだと苦笑い。もっと技術を上げないとね。。
キミの目が閉じていることもある。
こないだは感光させてしまった。。
それでも、全部の写真が愛おしい。
デジカメだったら削除されていたであろう写真たち。
フォトコンテストでは入選できない写真たち。
パパはそんな写真たちも大好き。せっかく生まれて来たのだから。
完璧でなくていい。完璧なんてツマラナイ。パパはデジカメみたいな人生が理想だと思って生きてきた。そんなパパのところにちょっとだけピンぼけのキミが産まれてきた。それからパパの人生はフィルムみたいになった。
パパはこの人生を気に入っている。これからもパパの専属モデルでお願いします!