パパはね。。ちょっと安心したよ。。やっと集中治療室から出ることができたね。これからは個室でママと一緒だね。やっとご飯も少しだけ食べることができたね。でも、まだいつもの元気なキミではないね。いつもならキミを笑わせるのはすごく簡単なんだけどね。。今日はあまり笑ってくれなかったね。どうしてもキミの笑顔を見たかったから、パパは最後の禁じ手を使ってしまったね。この日の為に温存しておいたマイケル・ジャクソンのモノマネをね。
激しいステップとムーンウォークから、股間を握って「フォー!」さすがのキミもちょっと笑ってくれたね。小さな声で「フォー・・」と真似してくれたし。パパは調子に乗ってもう一回やろうとしたんだけどね、、
「ちょっと!この部屋カメラ付いてて看護師さんが見てるから!」
と、ママに言われてステップが止まったね。
こっちは個室に移ったキミの写真。今日撮影したんだよ。鼻にチューブを入れていても美人は美人なんだね。
パパはね。。キミに嫌われていないか心配だよ。キミの為の手術なんだけど、キミにはそんなこと分からないよね。ある時目が覚めたら、体はベッドに縛り付けられていて、体中からチューブが出ていた。それからも痛いこと、苦しいことを何度もされた。「キミを傷つける奴は絶対にボコボコにする!」っていつも言ってくれてたパパはこんな時に何もしてくれない。ただ頭をなでるだけ。辛かっただろうね。キミは手術前のキミとはちょっと違う。。「パパ、抱っこ!」って要求しないね。ただテレビだけをずっと観ている。やっぱり怒っているのかな。お腹が空いてるはずなのに何も食べてくれないね。もちろんチューもしてくれなかったね。
パパはね。。焦ったよ。ママがシャワーを浴びている時に、キミが眠りから覚めてグズり始めてしまったから。ダメもとでベッドに入って、抱いてみたらキミはスヤスヤと寝てくれたね。嬉しかったなぁ。。手術前でもこんなことは滅多になかったからね。このまま1時間くらい寝てくれたね。パパは首が折れそうなポジションだったんだけど、キミを起こしたくなかったから我慢したよ。
ずっとこうしていたかったけど、パパはお仕事に行く時間になってしまった。携帯を使ってツイッターでこの状況を伝えたら、「今日は道場に来なくて良いです!」って言ってくれた生徒さんが何人かいたよ。ありがたいことだね。でも、キミをママに託してパパは道場に向かったよ。道場もパパの大事な子供みたいなものなんだ。
道場は4歳、キミは2歳。どちらもパパの自慢の子だよ。