パパはね。。今日は仕事を終えて、オフィスでキミの写真を見てた。キミは検査入院中で夜はつまらない。赤ちゃんの頃から先週の写真まで全部見てしまうね。ホントに大きくなったね。最近、パパとママが困っているのはキミがふざけてご飯を吐き出すことだね。アレはホントに止めてくれよ。お米粒を2メートルくらい飛ばすね。パパもママも厳しく叱ったりできないからな。。ワザと怒った顔をしてキミを見るけど、キミは笑ってるから結局パパも笑って抱っこしてしまう。「100回くらい言えば分かるでしょ。」とママと頑張ってきたけど、もう200回に達しそうだね。300回くらいまでは頑張るよ。
パパはね。。遊んでいるキミを見ると急に抱きしめたくなって名前を呼んでしまうね。
機嫌が良い日はキミは笑いながらパパの胸に飛び込んでくれるね。
けっこうブサイクな顔で飛び込んでいるんだね。
また可愛いキミに戻ったね。
パパはね。。沢山のブーツを持っているよ。キミが男の子だったらいつか全部あげるつもりだった。パパは大事にお手入れしているから20年後も履けるはずだよ。そして、男の子だったら格闘技をやらせてビシビシと鍛えるのがパパの夢だった。だから、「女の子だと思います」って病院で教えられたときはちょっとガッカリしたんだ。ゴメンね。でも、今では本当に女の子で良かったと思っているよ。そしてキミで良かったと思ってる。男の子だったらパパはあまりチューしないと思うよ。
パパはね。。ジャンプするキミの姿が大好きだよ。今日は点滴も外れたから病院の中を散歩できたね。キミは沢山ジャンプしてたね。明日は退院だね。5日後にはまた入院なんだけどね。次の入院はちょっと長くなるね。だから明日からの5日間はパパと沢山遊んでおこうね。
パパはね。。一応、格闘技やってるけどハートはあまり強くないよ。逆にママは世界王者クラスのハートを持っているよ。今回のカテーテル処置はキミが病室に帰されてくるのがちょっと予定より遅れたんだ。パパはすごく心配になってオロオロしてしまった。でもママは「大丈夫じゃん」って、落ち着いてたよ。処置は無事に終わったそうだよ。よく頑張ったね。プラチナ製のコイルが血管に入ったんだよ。すごいね。自慢できるね。次にキミが受ける最後の手術、「フォンタン術」は「姑息術」なんだ。簡単に言うと、キミの心臓は完全に治るわけではないんだ。とりあえず、悪い症状から「逃げる」為の手術なんだって。それを最初に先生から聞いたパパはショックだった。3度も手術を受けても普通の心臓にはならないことが辛かった。でもね、ママはこう言ったんだよ。
「大丈夫、アタシがこの子を連れてどこまでも逃げてやる!」って。
パパはついて行きます。
キミに面会に行く時は病院の受付で、服に貼る「面会者シール」をもらう必要があるんだ。受付にはパパとキミの名前を記入することになってる。そして「続柄」ってところには 「父」と書く。その「父」って漢字を書く時はいつも気持ちが引き締まるんだ。ぐぐっと力を入れてなるべくキレイに「父」と書くんだ。
パパは父なんだ。