色彩豊かな手刺繍の「お宝」。
NEPENTHESの新プロジェクトとして、
〈OTAKARA NYC〉がカムバック。
NEPENTHES TOKYOと花、 太陽、 雨を舞台に開催したポップアップイベントから1年。 ニューヨーク在住のSatoshi Suzukiによる手刺繍プロジェクト 〈OTAKARA NYC〉 が、 NEPENTHESの新たな取り組みとして新作を発表する。 街の空気、 カルチャー、 そして個の感覚——NYでの暮らしから生まれるモチーフが、 色糸と針を通して再構築されていく。 より深く、 より自由に広がった 〈OTAKARA NYC〉 の現在地を、 本人へのインタビューを通じて紐解いていく。
- 1シーズンで飽きられない、
長年愛用される作品を 
- 1シーズンで飽きられない、
長年愛用される作品を - 昨年のポップアップイベント (NEPENTHES TOKYOと花、太陽、雨) を振り返ってみて、 印象に残っていることを教えてください。
- NEPENTHESとのコラボレーションアイテムの販売とポップアップイベントには特別な思いと共に多くの不安がありましたが、 東京、 美瑛の両方に多くのお客様が来てくださって、 〈OTAKARA NYC〉 の作品をお買い上げいただきました。 僕がその場で実演するワンポイントの手刺繍サービスも好評でしたし、 直接お客様とやりとりできたこと、 NEPENTHESの絶大なファンの方々とも語らえたことが印象に残っています。
- ご自身にとって何かインプットやフィードバックを得ましたか?
- ポップアップイベントでは製作した作品を説明することの大切さを感じると同時に、 多くのお客様に作品を見ていただき、 直接感想を聞けることが新鮮でしたね。 その際の会話から今後の製作活動に関するヒントも得られました。 また手刺繍のカスタムサービスが今後のイベントの大切なポイントになることを知れたのも良かったです。

- 今回はOTAKARA NYCの新たなプロジェクトとして新作を発表しますが、 何をきっかけに始まったのか、 個人的なテーマや想いを含めて教えてください。
- NEPENTHESとのコラボレーションが好評だったことから、 NEPENTHESの新たなプロジェクトとして 〈OTAKARA NYC〉 を展開したいという提案をいただいて、 今回の取り組みがスタートしました。 2021年に 〈OTAKARA NYC〉 を始めたとき、 カスタムオーダーの最初のお客様が清水 (慶三) さんだったんです。 あれ以来、 気にかけてくださったことも大きかったと思います。 個人的なテーマは 〈OTAKARA NYC〉 のスタートから変わらず、 自分自身の好きなものと世界観です。 私のホームベースであるニューヨークに関連するものからネイティブアメリカンやオールドアメリカーナなどのモチーフまで、 自分なりにアレンジして表現しています。 NEPENTHESでのプロジェクトがスタートするにあたって、 〈OTAKARA NYC〉 の製品が長く愛されることを願うばかりです。

- 新たに製作したアイテムについて解説をお願いします。
- 今回はカットソーアイテムにフォーカスしています。 スウェット素材のセットアップとTシャツは、 どちらも手刺繍とプリントという2つの展開です。 また帽子類 (バケットハット、 スナップバックキャップの2種類) は 〈OTAKARA NYC〉 として初の小物展開になります。
- これまでのアイテムと異なるアプローチやモチーフの選び方、 新しいチャレンジなどはありますか?
- スウェットはセットアップでコーディネートできるようにアプローチして、 刺繍には小さなモチーフをモノグラム風にレイアウトしました。 プリント用にはタイポグラフィのモチーフを新たに加えて、 個人的にも新鮮な印象に仕上がっていますね。

- つくり手としてアピールしたいディテールを教えてください。
- 今回のプロジェクトのために、 多くのモチーフは新たに型起こししています。 バンダナのプリントは多色で展開している点と、 スウェットパンツのプリントには私の原点であるニューヨークのファッションアベニューをモチーフとして使っている点に注目してほしいです。

- 前回のインタビューで、 〈OTAKARA NYC〉 はご自身が 「自分のために始めたプロジェクト」 だと言っていました。 遠い将来の目標は見据えていないと思いますが、 今後の展開やビジョンについて教えてください。
- 自分のために始めた 〈OTAKARA NYC〉 が、 今回からNEPENTHESとの新たなプロジェクトとしてスタートできたことを嬉しく思います。 この取り組みが末長く続いていけることを願っていますし、 自分自身で末長く手刺繍を続けていけるようにモチベーションを保っていきたいです。 まだ製作したいモチーフやアイデアは無数にあるので、 少しずつ形にして発表の場をつくっていきたいですね。 ファッションは流行に左右される部分が大きいですが、 製作した作品が1シーズンで飽きられることがなく、 長年愛用されていく。 誰かのヴィンテージとして残っていけるような作品をつくり続けていきたいと思います。

