US Open

90年代、結構テニスにハマってました。
4大大会とかのTV観戦はもちろん、夏場は仕事が終わった7時くらいからでも仲間と毎日のようにイーストリバーパークのコートに通っていたもんです。なので、しばらく遠ざかっていたとはいえ、今回のUSオープンには興奮しないではいられなかった。あの錦織圭選手の大活躍に。

90年代は、日本人選手の活躍といえば女子で、96年の対グラフ戦の伊達公子選手をはじめ、多くの挑戦を見てきたけれど、男子は95年のウィンブルドンで、松岡修造選手が奇跡的にベスト8まで行ったのが唯一だと思う。錦織選手の活躍も聞いてはいたけれど、オーストラリアンオープンでベスト8に入ったあたりから何となく気になりはじめ、今回のUSオープンでもベスト8入りした時に確信してしまった。これは凄い、本物だなと。それがベスト4に勝ち残り、盛り上がりはピークに達した感も出てきて、更にランキングNO1のジョコビッチを破って、なんと決勝進出。こんな事は前代未聞、こんな事が現実に起きるなんて信じられなかった。グランドスラム大会で日本人選手が決勝だなんて。ベスト8で大喜びして、ベスト4では感動しまくっていたのが、決勝を決めた瞬間に涙が自然に出てきてしまったほど。前日からそわそわして臨んだ決勝戦だったが、結果はご存知の通り。それでも日本テニスの歴史を塗り替えた素晴らしい活躍だったのは変わらない事実。ずっと記憶に残るでしょう。

観戦中、気になったのは双方のコーチ。
マイケル・チャンとゴラン・イヴァニセビッチ。
錦織選手の粘り強さと、チリッチのもの凄いサーブは、それぞれのコーチの現役時代を彷彿させる。何か乗り移った二人の代理戦争のように。というか、単純に僕自身が昔テニスにハマってた時代に好きだった選手が今はコーチになっていて、それなりに自分と同じ様に歳を取っているのを見て、妙に懐かしくなってしまったというのが本当かもしれない。ほぼ同じ歳の二人は、両方ともグランドスラム優勝の経験が一回。マイケル・チャンは、彼のフットワークとストロークを活かせるフレンチオープンをなんと最年少で勝っているし、イヴァニセビッチは強烈なサーブを活かせるウィンブルドンで。往年の名選手が今、コーチする側に廻っている事実と、錦織選手がジョコビッチを破り、チリッチがフェデラーを越えてのファイナル。これは何かまた、新しい世代の始まりを啓示してる気がする。これからは錦織選手と、チリッチ選手の決勝を何度も見る日がくるのではないかな。少なくとも錦織選手がタイトルを取る日は相当近いと思う。何だか、久々にテニスをやりたくなった。

部屋の片隅に追いやられてるラケットを見たら、当時のトップモデルのラケットが3本も。今じゃあ価値無しだけど、上手くもないのに、今も昔も格好というか、道具から入ってたのは直ぐ分かる。また買い直さないといけない。ま、洋服屋としてはこれが大事なんだけどね、と思う事にして自己完結しておこう。NYはまだファッションウィーク中、しかし錦織選手の大進撃がそれをぶっちぎって興奮させてくれた。感謝。

写真はもう夏が終わったNYロングビーチです。
ではまた次回。

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DAIKI SUZUKI 鈴木 大器

DAIKI SUZUKI 鈴木 大器

NEPENTHES AMERICA INC.代表「ENGINEERED GARMENTS」デザイナー。1962年生まれ。89年渡米、ボストン-NY-サンフランシスコを経て、97年より再びNYにオフィスを構える。08年CFDAベストニューメンズウェアデザイナー賞受賞。日本人初のCFDA正式メンバーとしてエントリーされている。