If you were super rich and…

もし僕がもの凄い大金持ちででかい家をNYに持っていたら、そこに飾るアートに何を選ぶだろう。

最近アートギャラリーからご無沙汰だったせいもあり、今結構面白い展示がいっぱいだと言う友人の誘いに乗っかって久々にウェストチェルシーへ。確かにこの時期は毎年メジャーなというか、面白そうな展示が目につく。詳しくないが、アートギャラリー界で何か特別な時期なのかも知れない。あるいはただNYの観光客がただ単に多い時期だけなのか。時間は限られていて、これだけはと勧められたのは、ピカソ、村上隆、ホックニー、ピカソとジャクリーヌ。これらを書いた順番に見たのだけど、確かにどれも良い展示だった。しかし圧倒的に凄かったのは、村上隆。

以前にも2度、NYで彼の展示は見た事がある。前回はブルックリン美術館で例のルイヴィトンとシンクロしてた大がかりな展示。いわゆる見聞きしてた村上隆そのもので、売り出し中の勢い抜群という感じだった。今回は、たまたまピカソの2つの展示と同時期で、何となくピカソに食われちゃうかもなあという素人の心配を見事に吹き飛ばしたぐらい素晴らしい展示だと思う。

村上隆作品に関してはいろいろと批判も多い。
僕は現代美術を勉強してる訳でもないし、アートに関してとやかく言える博識もないけれど、個人的には今回の展示はここ何年の中でもベスト。入って直ぐに目に飛び込んできた古い寺院門。これにはやられた。他のお客さんたちもかなりのインパクトのようで、大人気。壁一面に続く超長い絵。これは非常に見てて面白かった。そして金剛力士像。見事な傑作ぞろいの絵の一連に、彼自身のフィギアも。 お客さんもいろいろ。見るからにお金持ちそうなアート好きな人たちから、オタクというか、日本のアニメ好きな若者まで。子供たちは、大きな絵の作品の中に、小さく描き込まれた村上隆氏自身を見つけてその部分だけ写真を撮って喜んでいた。

村上さんは、本当にエンターテイナーだなあと思う。
どうしたら皆を驚かせるのか、ワクワクさせられるのか、本当にうまいなあと。絵にしても、フィギアにしても、もの凄い細かい仕事で、もちろん彼1人で作っている訳ではないけれど、ウォーホルや、ジェフ・クーンズしかり、1人で作れば30年かかる作品も皆で作れば1年で作って、もっと違う事もできる。これもまた現代なんだろう。

何よりも感じたのは、来ていたたくさんのお客さんが、皆ニコニコしていた事。子供から若者、大人まで、いろいろな年齢のさまざまな人たちを皆幸せにさせてしまう、これが村上隆マジックなのかもしれない。

今では誰でも知ってるピカソも、その当時は革新的なアーティストだったはずで、いつの時代もその時代を映す代弁者が出てくる。村上さんは僕ら世代の、そんな1人なのかもしれない。

もし僕がもの凄い大金持ちで、でかい家をNYに持っていたら、間違いなく村上隆の作品を買って飾りたいと思います。

絶対に無理だけど。

ではまた次回。 

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DAIKI SUZUKI 鈴木 大器

DAIKI SUZUKI 鈴木 大器

NEPENTHES AMERICA INC.代表「ENGINEERED GARMENTS」デザイナー。1962年生まれ。89年渡米、ボストン-NY-サンフランシスコを経て、97年より再びNYにオフィスを構える。08年CFDAベストニューメンズウェアデザイナー賞受賞。日本人初のCFDA正式メンバーとしてエントリーされている。