パリログ

NEPENTHES初となるパリでのショールーム出展が無事終わった。手塩にかけて育ててきた〈ENGINEERED GARMENTS〉〈NEEDLES〉〈SOUTH2 WEST8〉のコレクションを、パリで一度に見てもらうという試み。楽しみでありつつも怖かったけれど、最終的に良い形で終わることができて皆ハッピー。久々のパリ滞在が良い思い出になってよかった。毎シーズンが正念場。終わりのない挑戦を楽しめるスタミナがないと続けられない。

アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、イタリア、スウェーデン、ベルギー、ドイツ、タイ、韓国、中国、などなど、パッと思い出しただけでも世界各国から、たくさんのバイヤーの皆さんが会いに来てくれてエナジーを頂いた。そして、その多くの人たちが日本のNEPENTHESで買い物もしてくれていたことが純粋に嬉しかった。店に買い物に来てくれる人たちというのは信用できる。そんな人たちが取引先になるというのは、とても幸せなことだと思う。

来期からさらに多くの国々へとうちの商品が飛び立つ。商品はDNAだ。世界中の街にNEPENTHESチルドレンが生まれるのを楽しみに待ちたい。

滞在してたアパートの通りをよく見ると、マンガやフィギュアやゲームのショップがたくさん。そもそも独自の素晴らしいマンガ文化を持っているフランス。日本のオタク系のカルチャーはびっくりするくらい浸透してる。ヴォルテール通りのリパブリック周辺はアキバ系/まんだらけ系なのかな?

アナーキーなバーのトイレ。バーテン君はビール用のグラスで日本風ハイボールを作ってくれた。今回は以前よりもずっと、パリの人たちが人懐っこく感じた。パリの夜は長くて良し。

ある意味アナーキーな要さん in パリ。今回は全行程の苦楽を共にして、とっても楽しかった。要さんの京都弁を聞いていると、パリだかどこだか分からなくなる不思議。今頃札幌は大雪。。長旅おつかれさまでした。

そもそも唯一持ってきた本が間違っていた。スペクテイター/つげ義春特集。これじゃあファッションウィークのパリ感は出ない。しかしこれが驚くほど面白くて機内でグイグイと読んだ。作ってくれたことに感謝。次回の出張では何を読もう?出発前、積ん読の山から一つ選ぶのはなかなかに楽しい。

TOKURO AOYAGI 青柳 徳郎

NEPENTHES ディレクター。 1970年生まれ。 東京都出身。