なんて日だ/後編

翌朝、目を覚ますと清水さんがガスコンロでお湯を沸かしてくれていた。2つのカップうどんと1つのレトルトのカレー。それらを混ぜて、リビルド的カレーうどんが完成。美味。川の様子でも見ながら、ゆっくりと札幌へと戻ろうということになり、身支度して出発。途中、幸運にもガソリンも入れられて一安心。何しろコーヒーが飲みたい!そう思うと余計その思いは止められない。開店し始めたコンビニのなかに、ようやくコーヒーを販売している店を見つけた時は、嬉しかったなあ。。

夕方には札幌へ舞い戻り、SOUTH2 WEST8で情報収集。電気は復活していて店の営業も再開したけれど、残念ながら札幌でもホテルは取れず。清水さんには申し訳なかったが、また一緒に店で寝てもらうことに。自分は展示会前の来季サンプルの中で就寝。そして、どうにか翌日、土曜日の夜の便でついに東京へ戻ることができた。結局、丸一週間北海道で過ごしてしまい、頓挫した仕事のことを考えると頭がいたい。忘れよう!

清水さんとの二人旅で、とても役に立ったのが、SOUTH2 WEST8のメッシュブッシュパーカ。寝る時の防虫から、半袖だとちょっと寒いかなってときの絶妙なカーディガン的なアイテムとして、毎日本当に重宝した。自社製品がリアルな非常時に役立つのはとても嬉しい。しかもかっこいい。来季のコレクションでは、さらにバリエーションが増えてリリースされる予定。

今思えば、地震の直前とは知らずに撮影していた来季のビジュアル。
今回は撮影も担当だったので、札幌へは尊敬するフォトグラファーJEFF WALL先生のTシャツを着て行った。まさかTシャツが足りなくなって、帰りも同じTシャツで帰ることになるとは、この時には思いもしなかった。

来季はこんなラインナップです。

〈SOUTH2 WEST8〉 2019 SPRING SUMMER

被害に遭われた方々に、心からお見舞い申し上げます。
また、気遣って連絡してくれた皆、ありがとう。愛してます。
大丈夫、SOUTH2 WEST8も元気に営業中です。

TOKURO AOYAGI 青柳 徳郎

NEPENTHES ディレクター。 1970年生まれ。 東京都出身。