Driverとの会話:

仕事柄、荷物をたくさん持って移動する事が多々あります。
この街ではタクシーにだいぶお世話になります。
車両に乗ってまず行き先を伝えると、さっとそのまま目的地に向かってくれれば問題なしですが、通常は何らか文句をつけてきます。大概は,向こうの都合で僕の都合ではないですが、結局は自分がいきたくないところには行きたくないという、タクシードライバーとしては全く理解しづらい理由を投げかけてきます。怒りと悲しみとあきらめが30秒ぐらいで身体を駆け巡ります。一時は、ボイコットして、タクシーは乗らずにカーサービスにしていたのですが、やはり圧倒的にタクシーの方が台数が多いですし、急いでいる時に毎回電話をして車を呼ぶのはなかなか段取りが難しいものです。

そんな、僕は一人でタクシーに乗るとおそらく8割りの確率でタクシードライバーに話しかけられます。まずは何処から来たのか?とはじまります。タイ人、中国人、韓国人といわれ、自分から日本人というのが、パターン的に多いかな?僕も聞かれれば、すかさず相手にも何処から来たのか聞きますが、話しかけてくる人は大概パキスタン人かインド人、時々チベット人という感じです。日本の経済、政治、スポーツ、震災の事、食べ物などなど、質問の内容はバライティーにとんでいます。僕はあたかも日本代表のようにその質問に答えなくてはいけないような気持ちになってしまい、会話を進めていきます。(完全な自己判断での日本代表なのですが。)中にはなかなか鋭い指摘があったりして時々困ったりしますが、できるだけ許容範囲内でうまく説明できるように心がけます。

もちろん、疲労や考え事、そして気持ちが全く乗っていない時などは、下を向いたり外をみたりして、話しかけられないようにしてしまったりしますが。

話の最後の方で多くの方が口にするのは、日本は “リッチな国” だです。
何に対し、そう思うのかなあといつも聞いてしまいます。
車産業があり、多くの電化製品を生産し、街は綺麗に舗装され、都心には大きなビルが建ち並び、近代化した橋やトンネルは世界中にその技術が伝えられ、食文化は発達し多くの選択があります。なんていうような答えが、かえってきます。

そんなとき、僕はいつもぼそっと、豊かな自然と優しい人達も多いんだよって言ってみるのですが、そこは風の音と車のクラクションに消されてしまっている事が多いです。

外国にいる外国人の方々との会話から得る、客観的な日本への感じ方は新鮮でありながら、結構重くのしかかってきたりします。

“歩々是道場”

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AKIRA YAMADA 山田 陽

AKIRA YAMADA 山田 陽

フォトグラファー。1998年よりNYをベースに活動。近年は東京との往き来も多くなり、雑誌、カタログ、広告の撮影に携わる。次回の展示の製作開始。
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