7月1日の16:48分

子供達を連れて散歩に出かけようとエレベーターを降りると、家の前のビルが崩壊していた。30年以上ある地元の人気スポーツジム、古いビルだとは思っていましたが、まさか跡形もなく崩れるとは信じ難かった。9/11以来ビルが崩れるのを目にしたことはあまりなかった。そして見たくなかったイメージ。子供達を部屋に戻し、妻を呼ぶ。

目の前に駐車していた、僕らの車はホコリと土砂と傷だらけ。
ビルの真横に止めていた車はペチャンコになっている。
比べてはいけないけど、比べてしまった、もはやそれしかできない。
入り口の外へ行って、車の確認さえ、警察と消防にさせてもらえない。

2020年、まだいろいろあるとは思っていたけど、やはり勃発。
怪我人が目の前に現れた、でも彼ひとりだけというのは奇跡だ。
うちのビルのロビーに招き入れ、隣人がキズの手当てをしているうちに
ビリビリに破けた彼のTシャツの替えを自宅に取りに戻った。

この数ヶ月、コロナによるパンデミックにて営業ができていなかったスポーツジムは夕食前のこの時間、誰もいなかった。通常なら数十人はこの時間だったらいたであろう、奇跡。本当によかった。

ビルは古く、この数年いろいろなバイオレーションを建築上の問題でもらっていたビルのオーナーはつい先日も5000ドルの罰金を未払いのままのようでした。完全なビル管理ミスによる、ビルの倒壊事故。

ずっと見ていても何も変わらないので、一旦自宅に戻り夕食をしているすきに、車をレッカー移動されていた。ひどい。周りにいる警察官に何を聞こうがわからないというし、色々電話もしてみるも車見つからず。車行方不明に。

翌朝のランニングを終えた足で、近所の警察署へ直接聞きに行ってみた。
数十分、待たされたのちやっと書類へたどりついたよう。
歩いて10分くらいの場所を言い渡された。
意外にも普通に車道に止めてあるようだ。

車は保険で完全に直してもらうことに、その保険代も全てビルのオーナーに払ってもらうつもりです。

車の処理対応に2日間も取られ、なんだかぐったりの独立記念日でしたが、
今一度、独立の意味を考えて、何からの独立だったのか理解し直した。
これはみんなの独立記念日ではない。
現在まだまだBLMプロテストは続いています。
City hallの隣にキャンプ地帯がありそこへ多くのプロテスターが寝泊りをしています。その数、百人くらいでしょうか?まだまだ続くこの動きは。

街は週明けの7月6日から、フェーズ3へと移動しました。
NY州、 Newyork Cityはコロナに関してはだいぶ落ち着き始めた。もちろん、まだ数百人単位で感染者は見つかってはいるが、以前と比べれば、本当に落ち着いてきた感じです。人々も対応の仕方に個々のルールがあり、それを個々にこなしているので、数ヶ月前のような慌てぶりもないし、冷静に淡々とNew Standardをこなしている。でもやっぱり街には以前のような自由はない。

株などは以上に値上がっているが、お店は開いていないし、レストランは依然として、持ち帰りと野外飲食のみ。室内飲食は感染の危険性からしばらく先に持ち越された。残念。

学校も夏休みに入りました。
子供達のキャンプも日本行きも中止。
子供達のエナジーをどこへ向かわすかはものすごい大きな問題。
9月まであと2ヶ月間、大事な時間。

以前から犬を飼おうと提案していた長女は自宅待機を機により真剣に訴え始めた。うちには2年前まで二匹のジャックラッセルがいた。サヨナラはとっても悲しい、妻も僕もそう簡単には立ち直れない。18年半 と 10年と 一緒に過ごした彼らは忘れられなく、僕はあんまり乗り気でなかった。

はじめに彼女が挑戦したのは、フォスタードックといって、ある一定の時期だけ犬を預かるシステムで、いろいろな団体へ申し込んでみましたが、申し込みの数が登録させている犬の数を上回っているようで、全くうちに来る気配はありませんでした。そこで長女は犬を飼っても良いかを懇願。次は、たくさんのシェルターに連絡して、要望の犬を探し始めるもまたも同じ理由でうちに回ってくる犬は全く見つかりませんでした。

この変わらない状況の中、皆考えることが似てくるのですね、何かを世話したり育てたりしたいという気持ちなんでしょうか。

困り果てた彼女と妻は、ブリーダーを探して子犬から育てるという選択へ向かい。ブリーダーを探し始めました。近郊のブリーダーはやはり需要があり、待っても無理なようでしたので、車で迎えに行ける場所を探し、ようやく見つけました。

片道3時間半のドライブを2往復してようやくうちに子犬がやってきました。2020年の4月に生まれ、これからたくさんの時間を一緒に過ごしていくであろう彼女といっぱい思い出を作ってくれたら嬉しい。すべてのことを自分でするといった長女は、自宅待機中、夜更かし続きだったのですが、朝は5時くらいに毎日起こされるようで、夜も疲れ切って早めに寝るようになりました。(これだけでも効果あり)

夏はこれから。

AKIRA YAMADA 山田 陽

AKIRA YAMADA 山田 陽

フォトグラファー。 1998年よりNYをベースに活動。 近年は東京との往き来も多くなり、 雑誌、 カタログ、 広告の撮影に携わる。 次回の展示の製作開始。
Website : www.akirayamada.com
Instagram : akirayamada