お墓参りと上うなぎ:

1月の終わりに、眠るようにおじいちゃんの元へ向かったおばあちゃんを訪ねるべく、お墓のある東京都立石に行ってきました。撮影続きでちょっと身体もグダグダだったので頭の中身をリセットするにもちょうど良い東東京への電車移動。立石の駅からは徒歩でお墓まで向かえば、普段とは打って変わって大賑わいのお寺の敷地内。お彼岸の日曜日、雲ひとつない青空の日には、皆がお墓参りに向かいたくなるのでしょうか。去年までは、おじいちゃんの名前の隣に赤文字で掘られていたおばあちゃんの名前、今はおじいちゃんのそれと同じものに。

タオルで墓石をしっかり磨き上げ、普段よりも長く手を合わせて、大きく深呼吸をした後、空を見上げたら飛行機が遠くに飛んでいるのが見えました。

電車で来た道を押上までさかのぼり、徒歩で二人の住んでいた平井まで向かいました。二人の好物だった鰻屋の味を一緒に確かめるべく鰻屋へ向かいました。

約30分間、テクテク歩くと程よく空腹になり、お店の暖簾をくぐって席に着き、瓶ビールを頼み、グラスを2つ頂きました。おじいちゃんと乾杯。手を合わせ、二人と乾杯。焼きあがるまでの約40分間は、ゆっくりとビールの苦みを楽しみボーとしていました。昼間の空きっ腹のビールは、気持ちよく体の血を巡らせてくれました。

パッと襖が開いて運ばれてきたお膳。
蓋をあけた時に広がる、甘い醤油の匂いと香ばし鰻の焼けた匂い。柔らかく口いっぱいに広がる鰻の味とふりかけた山椒の香り。ジューシーな鰻の身は、たれとプリっと立ったお米と相性抜群で箸がどんどん進みます。箸休めのぬか漬けと肝吸いも格別でした。

早々と完食してしまった僕は、後ろ髪を引かれつつ鰻屋を立ちました。

ほぼ満席の中、通された席はおばあちゃんと最後に座った席でした。
また時間を見つけて戻ってこようと自分に語りかけて、総武線に乗り込みました。

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AKIRA YAMADA 山田 陽

AKIRA YAMADA 山田 陽

フォトグラファー。1998年よりNYをベースに活動。近年は東京との往き来も多くなり、雑誌、カタログ、広告の撮影に携わる。次回の展示の製作開始。
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