#64

※ 日々暮らしていると
うれしいが1日に集まってしまうことがある。 もうすこし分散してくれればいいのに、なんて思う。
MASASHI OZAWAの個展@リキッドルーム「KATA」へ。
はじめて目にしたのはゴハン屋さんだったんだけど
もう食べてても飲んでても気になって気になって
帰り際にそのまま売っていただいた記憶。
その後ももう1点売っていただいて。

MASASHI OZAWAは音楽を描く。
演奏者は抽象的に描かれているのに
空気を震わせて音が鳴っているその音像が
色と筆圧とラインで1枚の画角の中に収まっている。

絵を眺めているのに音楽を聴いているような感覚。

自分が知り合って初めての個展だったのでそれはそれは楽しみで。
オープニングにはいつもの仲間たちも集まって
圧巻の作品たちを眺めながらリラックスして立ち話。

中でもぐっときたのはこれだった。

ブラウン管のテレビを見ている気持ち。
聴こえてくるのはソウルかな、ジャズかな。
生演奏なのにこの音楽の精度。ヴォーカルのピッチもすごい。
なんて妄想が膨らむ。しばらく眺める。

そしてそのまましばし仲間たちと別れ、地下に潜る。
カナダのシンガーソングライターMOCKY来日ライブへ。

ドラム、ピアノ、ベース、ギター。
半円にセットされた楽器を行ったり来たり。
とてつもないグルーヴに飲み込まれ汗だく。
バンザイしながら体は揺れる揺れる。
最高の夜だ。最高の夜だ。

ずっと欲しかったレコードも手に入れて
おうちで乾杯。

このMVはほんとに最高。

MASASHI OZAWAとMOCKYと仲間たち。
こんなに1日にうれしいが集まんなくてもよかったのに。


きっかけは1冊の本だった。
「亜童、この本は読んだ方がいい」と
ネペンテスの青柳さんに借りたのが2年ほど前。
その後、どうしてもこれは持っていなければ、と
古本を探し購入。

巷で氾濫気味の「アーバンアウトドア」に違和感を感じていた自分に
「ああ、これだ、これだったんだ」と静かに気づきを与えてくれた本。
まだ自分が『THE DAY』を作っていたら
ほんとの「アーバンアウトドア」を知ってもらう特集を作ったのに、なんて思いながら。

電話が鳴る。ネペンテスの青柳さんから。
「亜童、アーバン・アウトドア・ライフって本おぼえてる?」
「覚えてるもなにも、バイブルです」
「作者の芦澤一洋さんを特集しないか?」

そこから突っ走ること約1か月。
芦澤さんの遺した本を読み漁り
芦澤さんを知る方々に会いに行き話を聞き
結果、20ページ超えの大特集。

タイトルは
「特集:芦澤一洋。~芦澤一洋を知っているか?~」

ここで言いたいことは山々だけど
兎にも角にも

NEPENTHES in print ♯5

を眺めてみてください。

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A.D.O 亜童

A.D.O 亜童

フリーランスの編集者、ライター、ディレクターとして雑誌やWEB、広告、映像のディレクションをつとめる。昨年、自身のクリエイティブ・カンパニー「E inc.」を設立。新たなコミュニケーションを模索中。人生一度きり、の思いを掲げ、自らのお尻を叩きながら前へ前へ。鹿児島出身、目黒区在住。
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Instagram :@adoman1978