#49

どれだけ感動してきたか。
感動の蓄積が僕たちの原動力だもんね。

松浦弥太郎さんと先日こんな話をした。

心が動いたことを目に見えるカタチにするのに
いつも苦しむし、これまでも苦しんできた。
胸のあたりとこめかみとおでこの上のあたりが
ジーンとしている感覚は、いったいどんなカタチなのか。

そこから先は、そうやって出てきた具体と
ジーンとしたものを照らし合わせながら
積み上げて、作り上げていく。

じゃあその感動はどうしたらできるのか。
素直でいることだと思う。
好意的で、前向きでいることだと思う。

物事にはプラスもマイナスもない。
物事はただ、そこにあるだけ。
物事をどう受け止めるか、どう受け入れるかで
物事はどんなカタチにもなってしまう。

感動という方法で切り取った場合
斜に構える方法で切り取った場合
この違いで目の前に現れるカタチはまったく異なるものになる。

感動という方法を知っている人たちは
ほんとにいい顔をしている。
心の風通しがいいから、また感動が生まれる。

斜に構える方法については、うーん。
たぶん顔を見ればわかるし、握手すればわかるし(たぶん握手しないな)
少し話をすればわかるかも。放たれた言葉の端々に
斜に構えるいろんなことが入ってるから、僕は居心地が悪い。

プラントハンターの西畠清順さんに会いにいった。
カラダごと人生ごと植物に捧げているひと。
地球をグルグルと飛び回り、植物に出会えた大きな感動を
大きく見開いた目で、むき出しの笑顔で話してくれる。
生きる力に満ち溢れている。

日本での個展を終え、リーバイはサンフランシスコへ帰って行った。
「ありがとうございます」彼は胸に手をあてて
深く深くお辞儀をする。リーバイが纏っている空気はなんなんだろう。
乾いた風が吹く大地みたいだし、物音ひとつしない月明かりの大地みたいだ。

信頼のアートディレクター樋口さん。
めくるめく恵比寿のスナックで過ごした夜。
未来を見つめる熱い眼差しと、どこまでも優しくてふくよかな心のひと。

フォトグラファーの松本直也。
言葉は少なくて飄々としているけれど
信じているものにひたむきに向き合う姿勢。
ギリギリセーフの写真展は、まっちゃんのカメラを構える姿と目線が
すぐ目の前にあるような錯覚。
言葉は少ないけれど、目をみたら、なんだか安心するのだ。 

最近の投稿記事

  • #88
  • #87
  • #86
  • #85
  • #84
A.D.O 亜童

A.D.O 亜童

フリーランスの編集者、ライター、ディレクターとして雑誌やWEB、広告、映像のディレクションをつとめる。昨年、自身のクリエイティブ・カンパニー「E inc.」を設立。新たなコミュニケーションを模索中。人生一度きり、の思いを掲げ、自らのお尻を叩きながら前へ前へ。鹿児島出身、目黒区在住。
www.etokyo.co
Instagram :@adoman1978