#45

ずっと気がかりだった墓参り。
唐突に思い立って鹿児島へ。
どうしてもお彼岸が終わるまでには
行っておきたかった。

久しぶりに戻る我がふるさと。
空港に降り立ち、大切に使われているイームズを見て
なんだかじんわり泣けた。

リムジンバスに乗って鹿児島中央駅へ。
なんだか無性に歩きたくなって
変わってしまった商店街を眺めながら
今年91歳になるじいちゃんに会いにいった。

体の半分は動かなくて車椅子、耳も遠くなってしまったけど
とてつもなくデカい優しさと深い愛情のじいちゃんに
まったく変わりはなかった。
あんなに分厚くて力強い手で握手してくれる人に
まだ会ったことがないよ。

お墓に持っていく花を買いにいく。
なかなか墓参りに行けないこともあって
少し気が引けたが、造花を飾ることにした。
売り場に行ってびっくりした。
造花のマーケット、こんなに需要があるのかと。

桜の切り花まで!

まずは父方の祖父母の墓へ。
タワシとホウキでゴシゴシ。
何十回も水場を往復してピカピカにした。
墓場には誰も居なかったが、独りじゃない気がして
少しも寂しくなかった。
ありがとう、ありがとう。

そして母方の祖母の墓へ。
以前もこのコラムに書いたと思うのだが
https://www.nepenthes.co.jp/ado/20140815/column.html
東京にいる自分を、いつも近くで見守ってくれているのは
ばあちゃん(あーちゃん)だ。

とにかくいろんな話をした。
孫であることをいいことに、願い事もたくさんした。
いつもお願いばかりしてごめんねあーちゃん。
ありがとう、ありがとう。

次の日には東京で会議が入ったため
1泊という弾丸になってしまったけれど
本当に帰ってよかった。

この日の鹿児島の空の碧は素晴らしかったな。

帰りの飛行機は窓際だった。

離陸直後、離れていく鹿児島の大地を眺めながら
この力強い緑と土に育ててもらった自分を
すこし誇らしく思えた。

ありがとうございます。
明日からもまた、がんばろう。 

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A.D.O 亜童

A.D.O 亜童

フリーランスの編集者、ライター、ディレクターとして雑誌やWEB、広告、映像のディレクションをつとめる。昨年、自身のクリエイティブ・カンパニー「E inc.」を設立。新たなコミュニケーションを模索中。人生一度きり、の思いを掲げ、自らのお尻を叩きながら前へ前へ。鹿児島出身、目黒区在住。
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Instagram :@adoman1978