#2 素について

前回の「ス」から続く今回のお題は「素」。
しりとり勝負だったらいじわるな回し方だな。
てことで次回も「す」で始まるテーマを考えます。

いつの間にかどこかへ消えてしまったし
今となってはほとんど気にならないようになっちゃったんだけど

「ほんとのオレってどんなやつだ?」

10代、20代はこんな疑問と過ごしていたと思う。
ふと気がつくといつも目につく所にいてこっち見てたり
こっちから出向いて潜っていったり(酔っぱらった時とかね)

自分の中には大きな丸いボールがあって
それは何層もの膜が重なってできている。
接する人によってその層を使い分け
中心にあるコアにたどり着くことはほとんどない

愛想ふりまいたり
真剣に話しているけどどっか白々しかったり
虚勢を張ってポーズしてみたり
熱く語っている自分を斜め上から冷めた目で見ている自分がいたり

「自然体」って言葉に憧れた。
自然体な人、自然体と言われている人を観察した。
自然体になるための回路が自分にあるのか探した。

頭に浮かんだ言葉をそのまま吐けばいいのかな?
なんて思って言ってみたら割と空気が凍ったこともあった(笑)。

そんな疑問もどこかに去り
感じていた自分の中の丸いボールや重なった層の存在も
どこかへ行ってしまった。

結局答えも見つからなかった。
そうこうしながら今も自分と生きている。

「人生一度きり」

ここ何年かはこの言葉と一緒にいる。

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A.D.O 亜童

A.D.O 亜童

フリーランスの編集者、ライター、ディレクターとして雑誌やWEB、広告、映像のディレクションをつとめる。昨年、自身のクリエイティブ・カンパニー「E inc.」を設立。新たなコミュニケーションを模索中。人生一度きり、の思いを掲げ、自らのお尻を叩きながら前へ前へ。鹿児島出身、目黒区在住。
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Instagram :@adoman1978