〈ENGINEERED GARMENTS〉x〈SCHOTT〉COLLABORATION PRODUCTS 〈ENGINEERED GARMENTS〉x〈SCHOTT〉COLLABORATION PRODUCTS

〈ENGINEERED GARMENTS〉x〈SCHOTT〉COLLABORATION PRODUCTS

今シーズン、〈HOKA ONE ONE〉〈K-WAY〉〈SEBAGO〉〈BARBOUR〉などさまざまなブランドとのコラボレーションを行ってきた〈ENGINEERED GARMENTS〉から、10月30日(土)に新たな注目のコラボレーションアイテムがリリースされる。今回タッグを組んだのは、1913年創業のアメリカを代表するレザーブランド〈SCHOTT〉。

〈SCHOTT〉の歴史は、アーヴィン・ショットとジャック・ショットの兄弟によってニューヨーク市マンハッタンのロウアー・イースト・サイドで始まる。設立当初はレインコートを製造する小さな町工場だったが、1928年に世界で初めてフロントにジッパーを採用したライダースジャケット “Perfecto(パーフェクト)” シリーズを発表。ボタン式が主流だった当時において、防風性に優れ、バイクに乗る際の姿勢も妨げないその画期的な仕様は大きな話題となり、たちまちバイカーたちが愛用するアウターとして不動の地位を築いた。

そして、1950年代には星型のスタッズを両肩のエポレットに配した伝説のモデル「613」、通称 “ONE STAR” が誕生。のちにセックス・ピストルズのベーシスト、シド・ヴィシャスやラモーンズなどのロックスターたちが好んで着用したことでストリートファッションのアイコンとなり、日本でもバイクウェアの枠を超えてその名が広く知られるようになる。〈ENGINEERED GARMENTS〉のデザイナー、鈴木大器が〈SCHOTT〉と出会ったのも、ファッション誌で “ONE STAR” を見たのがきっかけだったという。
  • 〈SCHOTT〉の存在を初めて知ったのは?
  • 10代のころに『POPEYE』あたりの雑誌で見たのが最初ですね。今では諸説ありますが、1953年に公開された映画『THE WILD ONE』(邦題『乱暴者』)のなかでマーロン・ブランドが着ていたライダースジャケットとして “ONE STAR” を紹介する内容でした。
  • その後、ご自身でも〈SCHOTT〉のアイテムを購入されたのでしょうか? 
  • 最初に手に入れたのはレザージャケットではなく、袖がジッパーの着脱式でレザーが部分使いされたダウンジャケットでした。NEPENTHES以前に働いていたREDWOOD時代の話なので、1980年代半ば、おそらく85、6年ですね。当時店長だった清水さん(清水慶三/〈NEEDLES〉デザイナー)が仕入れたのですが、何色かあったうちのひとつがティールグリーンのダウンにタン色のレザーを合わせた派手な色使いで、正直、「こんなウルトラマンみたいなジャケット、売れないんじゃ……」と思ったのを覚えています(笑)。ただ、これが予想に反して飛ぶように売れて。あまりにも売れるので見てるうちにだんだんと気になってきて、結局、自分も黒のダウンに黒のレザーを合わせたモデルを買いました。
  • 数あるレザーブランドのなかで〈SCHOTT〉だけに感じる魅力は?
  • 多くのアメリカブランドが生産地を国外に移すなか、創業時から現在に至るまでMADE IN USAを頑なに守り続けてきた歴史と、それを支える工場の設備や昔ながらの生産システム、職人たちの技術力の高さ。プロダクトのクオリティもレディメイドのレザージャケットとして素晴らしいと思います。
  • 今回のコラボレーションが実現した経緯を教えてください。
  • 以前、〈SCHOTT〉と一緒にアメリカ製のメルトンウールを使ってコートを作ったことがあって、そのときに初めてニューヨークにあるファクトリーを訪れました。そこでレザージャケットの生産工程も見る機会があり、もしまた〈SCHOTT〉のアイテムをデザインすることがあるなら次はレザージャケットを手がけたいと伝えました。そこから話が進んでいった感じですね。
  • DOUBLE RIDERS JACKET ¥132,000
  • DOUBLE RIDERS JACKET ¥132,000

DOUBLE RIDERS JACKET  ¥132,000

  • SINGLE RIDERS JACKET ¥125,400
  • SINGLE RIDERS JACKET ¥125,400

SINGLE RIDERS JACKET  ¥125,400

  • アイテムは〈SCHOTT〉の代名詞である、胸元が二重になったダブルブレストライダースと、スタンドカラーのシングルライダースの2型をラインナップ。どちらのモデルも象徴的なディテールであるエポレットやウエストベルト、背中のアクションプリーツなどをあえて取り除くことで、無骨でありながら洗練された雰囲気も併せ持つ仕上がりとなっている。
  • デザインについては、プロジェクトの立ち上げ当初からダブルとシングルのライダースを手がけると決めていたのでしょうか?
  • 最初は着丈の長いヴィンテージスタイルを考えていました。ただ、作業を進めるうちに、〈SCHOTT〉といえばやっぱりライダースジャケットだろ、と途中で方向転換。昔からあるダブルとシングルの典型的なデザインをベースに〈ENGINEERED GARMENTS〉らしいライダースを考えた結果、この2型になりました。
  • 2型ともに共通する特徴として、新たな要素を盛り込むのではなく、逆にいくつかのライダースジャケットの象徴的なディテールが取り除かれています。そのようなアレンジには何か具体的なアイデアソースやモチーフにようなものがあったのでしょうか?
  • 昔に見たヴィンテージのライダースジャケットが頭にありました。その仕様を参考にして、まず最初にジッパーの配置を決めて、あとはエポレットやウエストベルトを無くすことでシンプルで〈ENGINEERED GARMENTS〉の服に合わせやすい感じのデザインにしたいと考えました。
  • 一方で背面のデザインについては、〈SCHOTT〉の定番モデルが一枚革で仕立てられているのに対して、今回のコラボレーションでは形状の異なる複数の革を組み合わせた独自の仕様が採用されています。
  • それについても、前述した昔に見たヴィンテージのデザインが頭にあったからですね。あと、一枚革で仕立てるよりも、使える皮革のチョイスが増えるのもいいなと。
  • シルエットや着丈なども〈SCHOTT〉の現行モデルと違っているのでしょうか?
  • ライダースジャケットのシルエットはタイトフィットが一般的ですが、これはリラックスドフィットにしています。着丈もほんの少し、実寸で言うと1インチほど長めにしました。
  • 完成した2型のアイテムについて、どのような感想をお持ちですか?
  • 非常に良いものができたと思います。個人的には、特にシングルが気に入っています。
  • それぞれのアイテムを使った、この冬おすすめのスタイリングがあれば教えてください。
  • 自由に、大胆に、いろんなスタイリングに取り入れてもらえれば。コートの下に着たり、ブレザーの代わりにしたり。スウェットの上下に合わせるのも面白いと思います。