NEPENTHES official website |〈ENGINEERED GARMENTS〉x〈BARBOUR〉2021 FALL WINTER COLLECTION

通算5シーズン目となる今季のコラボレーションでは、最初に明確なコンセプトやデザインの方向性のようなものがあったのでしょうか？
今回は過去4回とはスタート地点がやや異なり、英国〈BARBOUR〉のイアン（Ian Bergin：メンズウェア部門の統括ディレクター）から直々にオファーされ、その段階で二つのシリーズを手がけてほしいという具体的な提案がありました。一つがキルティングを使ったシリーズです。
過去には2019FWシーズンに一度、〈EG〉の定番であるField Vestをキルティングで作られていますが、アウター類を含めて複数のアイテムを同時に展開されるのは今回が初めてです。デザインなどについても、何かしらの要望があったのでしょうか？
キルティング・シリーズは、イアンの意向でなるべく〈EG〉らしさを感じる要素を盛り込むことを意識しました。前回までは〈BARBOUR〉の定番モデルやアーカイブをベースに、“自分がもし〈BARBOUR〉のデザイナーだったら”という視点でデザインしていたので、あからさまに〈EG〉と被るデザインはあえて避けるようにしていたんです。その点、今回は〈EG〉のアイテムの中で特にキルティングに向いてると思ったCover VestとWrap Knit Vestをインラインとほぼ同じデザインで製作し、Loiter Jacketをベースにしたテーラードジャケット型のアウターもラインナップに加えました。他のジャケット2型とパーカも、ディテールのデザインなどで〈EG〉らしさを強く打ち出しています。
もう一つは、おなじみのワックスドコットンを使用したシリーズです。
こちらは〈BARBOUR INTERNATIONAL〉という、モーターサイクル用のアウターがメインのカテゴリーを〈EG〉流にアレンジしてほしいという依頼でした。
BedaleやBeaufortと並ぶ人気モデルのInternational Jacketから派生したカテゴリーですね。
実は最初に手に入れた〈BARBOUR〉のジャケットが、1989年に買った黒のInternational Jacketだったので、僕にとっても思い入れが強いモデルです。
1930年代の誕生当初からほぼ変わらない、ある意味、完成されたデザインに対して、どのようなアプローチでアレンジを加えられたのでしょうか？
大枠のコンセプトにしたのが、この非常に英国的なバイクウェアを、いわゆるアメリカ的なバイカーズジャケットと融合させるというアイデアです。具体的には、バンドカラー、左胸ポケットだけが傾いているフロントの4つのポケット、ウエストベルト、フィンガーチップ丈といった特徴的なデザインやディテールを残しつつ、アメリカ的なダブルブレストのレザーライダース（Lenox Wax）、バンドカラーでシングルジッパーフロントのライダースジャケット（Lincoln Wax）、そして同じくバンドカラーにジッパーフロントのカフェレーサー的なバイカーシャツ（Harlem Wax）のジャケット3型をまず最初に製作しました。
さらに〈BARBOUR〉のインラインにはないパーカ、ベスト、パンツもリリースされます。
パーカとベストについては、単純にこのラインナップにあったらいいなと思ったアイテムだったので。パーカはM51フィールドパーカ風に、ベストはバイカージャケットをベースにデザインしました。パンツは〈BARBOUR〉が以前、NATO軍に供給していた軍用モデルをリアレンジしたものです。これでほぼ一揃いしたかなと。あと、個人的にはTシャツ、特に "THIS IS NOT A WAXED COTTON T-SHIRT" とプリントされた一枚がとても気に入っています。