ロンドンのフォレストゲートという街に通称ザ・トンズというフットボールクラブ、Clapton FC(クラプトンFC)があります。プレミアムリーグのチームと比べたらかなり小さいですが、エセックスシニアリーグ(10部)に所属する立派なチーム。
クラプトンFCは1878年にハックニーで創立。その後何度かホームグランドを変え、1880年に現在のThe Old Spotted Dog Groundに移りました。グランドの横には2004年で閉まったパブThe Spotted Dog Innが今でも悲しそうに残っています。この建物は16世紀まで遡り、テューダー朝の第2代のイングランド王ヘンリー8世がハンティングロッジとして使っていた建物だそうで、2004年以来、古すぎで修復が困難で、なかなか買い手が見つからなくて、でも歴史ある建物なので壊せないと理由から、残念ながらほったらかしの状態なんです。
フットボールといえば、酔っ払いの暴言、暴動やフーリガン関連の事件をよくニュースでみます。かといってフーリガンは極右でファシズムとは断言できないし、サポーターが全員フーリガンじゃないっていうこともわかっているのですが、やっぱりそういうイメージが頭から離れない。
例えば、偶にフットボールの試合がある日に、競技場近くの駅で降りたり、乗り換えをしたら、サポーターに囲まれてしまう事があります。たくさんのデカい男性がグループで、大声で歌を歌たったり叫んだりしていると、正直ちょっぴり怖いです。そんなイメージだったから、最初は離れたところでみていたんだけど、せっかくだからサポーターのいるスタンドへ行ってみた。クラプトン FCのサポーターもやっぱり男性が多くて、みんなビール飲みながら大声で歌っている。これは想像通りだったからまあ仕方ない。どっからどうみても私は浮きまくっている。しばらく観戦というか視察してたら、なんと、サポーターが振る旗がなんかアナーキー..... そう、アナーキー。そしてその横にはアンチファシズムの旗。え?そうなの?極左?そうなんです、そうだったんです。クラプトンFCのサポーターはめっちゃレアな左翼。正直これには驚きです。
なんでも彼らは、男装女卑、難民受け入れ問題、などの問題にとっても熱心なんだそうだ。去年の試合では、クラプトンFCの女性サポーター達が、男性サポーターを観客席から追い出し、観客席を女性サポーターで占領し、男性社会反対をアピールしたり、今日の試合ではハーフタイムに全員で「難民ウェルカム」と叫んだりと、かなり以外なサポーターにビックリしました。よくみるとサポーターの中にはスキンズ、アナーキストもいるし、もちろん普通の家族、おじいちゃん、子供達などかなり多種多様の面子が揃っていました。外人女性という私の立場からすると、居心地は良いはずなんだけど、なんだか異様な雰囲気。
それからフットボール観戦に欠かせないのがサポーターが歌うチャント。チャントとはそれぞれのチームのサポーターが生み出す応援歌で、相手のチームまたは相手のチームの選手個人を侮辱する歌もあります。その頃に流行ったポップソングを替え歌にしたりして、かなり面白いものも多い。クラプトンFCも何曲かあり、サポーター達は休む暇もなく歌っている。まさに一人でカラオケ2時間いくのと同じくらいのカロリー消費量なんじゃないか、と思いながら一緒に歌ってみたりした。
結局この日の試合は4-2でクラプトンFCが勝利!!フットボール観戦かなり楽しい。帰ってからサイトを調べたら一応シーズンチケットも販売しているようだ。笑 当日チケットは大人一人7ポンド。因みに私が入る時にブースの中に座ってたおじさんにいくら?ってきいたら、おじさんが、「いくらで入りたい?」って逆に聞いてきて、これがおじさんのいつものギャグなんだろうなと思って「じゃあ二人で5ポンド?」ってノリで返したら、速攻でオッケーがでて、かなりのフリースタイル具合に大爆笑。ありがたいけどこんなことしてるから、いつまでたっても入り口のサインが壊れたままなんじゃないっすか?笑