9月は毎年恒例のロンドンファッションウィークが始まり、その後直ぐにロンドンデザインフェスティバルが開催されます。
100%デザイン、Design Junctionなどの大きな展示会もいくつかありますが、インテリアショップなどでのイベントやワークショップ、ポップアップショップがロンドンのあちこちに設置され、かなりエキサイティングな1週間。
今年の傾向は去年に続き幾何学模様、陶器、ガラス製品、リサイクルプロダクトが多かった。去年頃からメンフィスがトレンドとしてそろそろ来ると言われていたので、このすっかり定着した、心地良いスカンジナビアンとミッドセンチュリースタイルをどうやってメンフィスが崩すのかがとっても楽しみでした。崩すというより融合させろと言った方がいいかも。まあどちらにしろとっても楽しみにしていました。やはりまだスカンジナビアン、ミッドセンチュリースタイルが圧倒的に多くて。でもその中でもいくつかの作品にメンフィスの要素がちらほらみえました。
Furniture for Very Good and Proper by Michael Marriott
メンフィスは80年代前半にイタリアを中心に世界のデザイン、建築などに影響を及ぼしましたデザイナーグループ。グループの生みの親はイタリアの建築家、エットレ・ソットサス。1981年ある夜に彼の友達の若手デザイナーや建築家が集まり彼の自宅でお酒を飲んでいた再に結成されたというこのグループ。そして名前はそのときに流れていたボブ・ディランの「Stuck Inside of Mobile with the Memphis Blues Again」からメンフィスになったそうだ。メンフィスの特徴はとりあえず明るく鮮やかで刺激的な色使いにデザインも複雑で有機的。当時のヨーロッパの家具とは対照的なもので、まさにLove or Hateなデザイン。
Camille Walala
それから毎年気になるのはリサイクルプロダクト。やはり昔に比べてハイエンドで何かをリサイクルしたとは思えないくらい高級感あるれるリサイクルプロダクトが年々増えています。今回で5回目になる「Waste Not Want It」はBloombergのロンドンオフィスでのイベント。Bloombergは自社のリサイクル設備を兼ね備えており、リサイクルできるゴミはすべてここで仕分けされ処理場に配送されるそうです。選ばれたデザイナー達によってオフィスに新しく8個の家具が加わりました。この家具の材料は全てBloombergの自社リサイクル設備から集めて造られたもの。オフィスが閉まっている土曜日と日曜日だけ一般公開され、Bloombergのオフィスの中を見学できる。それだけでもちょっと感動したけど、面白い作品がいくつかありました。
オフィスが全体的に直線、非オーガニックマテリアルに囲まれていて硬苦しいオフィスだからと、何人かのアーティストはオーガニックのマテリアル(木)で曲線のテーブルで少しオフィスの環境を和らげたいというデザイナーが何人かいました
空をモチーフにしたテーブルと椅子 Clouds by Softbaroque for Bloomberg
個人的に一番好きだったのは使用済みのプリンターカートリッジに残る100グラムほどのインクパウダーを集めて色をだしたこのテーブルと椅子達。素朴だけどレトロで可愛い、そしてちょっとメンフィス。
Hues by Kim Thomè for Bloomberg
コンピュータのスクリーンの中にあるホログラフィックシートを切って繋ぎ合わせ、アルミニウムに貼り付けたものをガラスで挟みエッジをスティールで固めたもの。この作品は日本でも有名なジュエリーデザイナーのララ・ボヒンク。アールヌーボーなデザインだけど、なぜかフューチャーリスティックで完全にオフィスに溶け込んでいました。
Saturn by Lara Bohinc for Bloomberg
100%リサイクルプラスティックのテーブル。Plastic Effects by Brodie Neill
ドライフラワー、ドライリーフのランプシェード by Katerina Haderkova
By Martino Gamper
By The Garden Edit