Frederic, Lord Leighton ( フレデリック・レイトン男爵 ) はビクトリア時代の有名なイギリスの画家、彫刻家。
フィレンツェのヨーロッパ美術館で絵画を学び、その後画家としてのキャリアが始まり、一番最初の大きな作品は当時の王女クイーンビクトリアが一目惚れして購入されたそうです。その後、イギリスだけではなく、各国で認められ、画家としての地位を着々と築いていきました。そして後に彼はイギリス人の画家で初めて、そしてたった一人の男爵の称号を与えられた人物です。この称号とは、なかなか貰えるものではありません。そして男爵の称号をもらった人はその称号は子孫に受け継がれるシステムなのですが、彼はその時独身で、しかも残念なことに男爵の称号をもらった日の翌日に亡くなってしまったので、画家としても有名ですが、イギリスで一番短い男爵称号の持ち主としても有名です。そんな彼の家/アトリエは今でも美術館として残ってます。ホランドパーク駅近くの住宅街にひっそりと佇むお家。他の有名な美術館に比べたら観光客にはあまり知られてない美術館。美術館のスタッフはとってもフレンドリーで親切。家や絵画の説明をしてくれたり、質問があると直ぐに答えが返ってくる。素晴らしいサービスでした。お家にはレイトンがトルコやエジプト、シリアを旅した時に持ち帰った陶器やテキスタイルなどが装飾されていてとてもエキゾチックな内装です。建築家のGeorge Atkinson (ジョージ・アトキンソン)により、1864より建築の企画が始まり、1865年には完成したのですが、それから30年間にわたり、増築工事、改装工事、内装工事をしたそうです。ジョージ・アトキンソンは工場や駅などの建築を専門としており、彼にとってレイトンの家が初めて手がけた住宅でした。それでかわからないけど、外見は結構直線的な四角い建物で誰かが住むお家というよりかは図書館のような公共の建物って感じの雰囲気です。その外見とは全く異なり中に入ると、溜息もの。入り口の直ぐ左側にあるアラブホール。モデルになったのはシチリア島のパレルモにある、「La Zisa」です。レイトンとアトキンソンの知り合いのアーティスト、陶芸家、彫刻家達の協力のもとにこの部屋がデザインされました。アラブホールのタイルはシリアのダマスカスで集められたものと、イギリスの陶芸家でタイルアーティストのWilliam De Morgan(ウィリアム・デ・モーガン)がデザインしたものです。
シルクルームはレイトンが死ぬ1年前にでき上がった部屋で、彼の絵画や彼の友達の絵画を飾る部屋、プライベートギャラリースペースとしてつくられました。シルクルームというだけに、壁には一面シルクのファブリックが貼られていて高級感溢れるお部屋。
そしてたくさんのお皿がディスプレイしているダイニングルーム。Flock Wallpaperといって、19世紀に流行ったベルベットに見せかけた壁紙。ウールの細かい粉を壁紙に吹き付けて、凹凸のあるテクスチャーにしたもの。この時代は壁の絵画やオブジェが際立つという理由から赤の壁を取り入れるお家が多かったそうです。
私が行った時は地元の小学生たちが見学に来ていました。まだ1年生くらいの子供達が、レイトンの絵画やオブジェについて説明を受けていました。こんな素敵なお家を見学する機会があってとても羨ましい環境だけど、小学1年生にしてはかなりシブい教育だなと思いました。笑
Leighton House Museum
12 Holland Park Road, London W14 8LZ
https://www.rbkc.gov.uk/subsites/museums/leightonhousemuseum1.aspx