ロンドンのエンジェル駅近くにあるチャペルマーケットを少し入ったところに、昔から真っ赤な口紅をつけたおばちゃんが経営する、アンティーク&古着屋さんがあります。店構えは古くていい感じだけど狭いスペースに商品は常に山積み状態で、掘り出し物がありそうなんだけど、下手に触るとおばちゃんに怒られそうな雰囲気のお店だから、結局何も買ったことがない。もう十年以上も行っていないから散歩がてらに行くことに。でもそのおばちゃんの店の隣が知り合いのギャラリーなので、挨拶がてらに先ずはギャラリーの方へ。
小さいスペースのギャラリーだけどいつも面白いイベントやエキシビションをして、金曜日の夜はちょっとしたバーに変化。ギャラリーのショーウィンドウには大きな生花と、その後ろに大きな和紙のタペストリーが吊るしてあり、一月ももう終わりだけどお正月っぽくて素敵。
この大きな和紙は昔ロンドンに留学されていた佐藤友佳理さんの作品です。
和紙の産地である彼女の地元、愛媛県内子町の五十崎(いかざき)和紙を現代風にデザインし生産されているそうです。オーダーメイドでそれぞれの物件、空間にあった作品を一枚ずつ手作り。彼女の和紙は織物の縦糸と横糸のように何本もの糸が張っていて、そこに和紙をのせてから、穴を一つ一つ指で開けるそうです。すごく大変な作業です。この不均一な穴から抜ける光がこの日はお天気も良かったのでとっても綺麗でした。和紙から抜ける光ってとっても柔らかく、部屋全体が暖かくなります。日本の家屋にはもちろんだけど、蛍光灯がないヨーロッパのお家にもしっくり当てはまりそう。間接照明だけのリビングルームに一枚とかいいな。
このエキシビションにあわせて、東京のHIGASHIYAさんの和菓子も少し販売されていて、ギャラリーの中で和菓子とお茶のセットが楽しめるというとっても日本的な企画も良かった。そしてその後に、その日の目的だった隣のおばちゃんのお店に行くと、まだ夕方の4時前なのにもう閉店していて結局行けなかった…。
http://whiteconduitprojects.uk/
http://www.requ.jp/