今年はイギリスを代表する家具デザイナー、ロビン・デイの生誕100周年です。
ロンドンにある素敵なファニチャーショールーム&セレクトショップ「twentytwentyone」がこの彼の100周年を記念し、ロビンが1952年にデザインしたリクライニングチェアーを10人のデザイナー達に新しくデザインをしてもらうという企画を提案。そして先日その新しく生まれ変わった椅子たちのお披露目会がありました。
この10人のデザイナーに与えられたタスクはロビンの椅子をつかってアップホリスターをそれぞれの個性を生かしたものに変えること。でももしロビンが生きていたら、絶対に彼が微笑むようなデザインにすること!とってもチャーミングな課題です。
参加したデザイナーは私の大好きなMichael Marriott、Martino Gamper、Margaret Howell、Tom Dixonをはじめ、Matthew Hilton、Ilse Crawford、Terence Woodgate、Kenneth Grange、Jasper Morrison、Barber & Osgerbyの10人です。
まずロビンのオリジナルリクライニングチェアーはこんなかんじ。
そしてこれらが作品の一部です。
Martino Gamper
マティーノはイギリスで活躍するイタリア人デザイナー。テーマは"A British wool, a British weaver, a great British designer’s chair - and a little bit of Italian thrown into the mix." ということで彼は素晴らしいイギリスの椅子だけに、イギリスのウールでイギリス人の手で織られた生地をアップホリスターに選んだそうです。
Ilse Crawford
イルサが選んだ素材はアイスランド製の毛のなが~いシープスキン。とてもソフトな感触が座ったときに快適さを与え、乱れたワイルドな毛のラインがロビンの直線的な椅子の外観を柔らかくします。生前のロビンはロッククライミングやノルディックスキーなどを趣味とし、大自然が大好きだったということから、この生地を使う事によって彼のパーソナリティーがうまく椅子に反映されました。
Michael Marriott
マイケルは何か現代的で、アットホームな感じで、でも存在感がある、所謂「ロビン」のような素材を探しました。そしてマイケルが見つけたのが、クヴァドラ社のラフ・シモンズが再デザインしたファニー・アーロンセンのBALDER 3という生地。これは織物は表面に微妙な色の深さを出すためと、不規則な織りの模様を作るためにいくつかの異なるトーンの糸で織られています。
Margaret Howell
マーガレット・ハウエルはアイルランドにあるモーン社のBlazerという生地を使用。ロビンは1949年にロンドンの家具会社Hilleのデザイナーとして抜擢されました。Blazerはその頃にモーン社の創立者であるGerd Hay-Edieがロビンのためにデザインした生地です。
Tom Dixon
トム·ディクソンはスカンジロックシープスキンで椅子を覆うことにしました。大自然が大好きだったロビンからインスピレーションを受け、この生地にしたそうです。
1960年代にロビンがデザインしたポリプロピレン製のスタッキングチェアーが大ヒットしました。彼の奥様はテキスタイルデザイナーのルシアン・デイ。彼女と共にイギリスのミッドセンチュリーを代表するデザイナーです。
今でもロンドンに住んでいる人は結構お世話になっているロビンの椅子があります。私もたまに座らせてもらっている椅子、ロンドン地下鉄の駅構内にある椅子です。
http://twentytwentyone.com/designer/robin-day
http://robinandluciennedayfoundation.org/