東ロンドンのショーディッチのど真ん中に「Cleve Workshop」があります。
この辺りはバウンダリーエステイトといって、1900年にイギリスで一番最初に建てられたカウンシルエステイト。カウンシルエステイトとは貧しい人達に国が支給する家賃低額のマンションです。その頃この辺りは貧しい人達がたくさんいたスラム街で、シューメーカー、テイラー、シルクの織物職人、家具職人といった職人や商売人も多かった地域でもあり、地域の向上目的でこのバウンダリーエステイトが建てられたました。職人さん達には敷地内に建てられたワークショップ(工房)も支給されました。このワークショップの一部がCleve Workshopで、今現在も若手デザイナーさんや職人さんがワークショップ兼オフィスとして使っています。バウンダリーエステイトの真ん中にはArnold Circusというラウンドアバウトがあるのですが、これは建設時に掘り起こした土で住人の憩いの場として造られました。
そのワークショップの一つが私のお友達の中川綾ちゃんの「Colenimo」ワークショップです。
イギリスをこよなく愛するあやちゃん。日本でもデザイナーとして活躍していたのですが、2004年に渡英し、2008年に「Colenimo」をロンドンで設立しました。イギリス、ウェールズ、アイルランド、スコットランド産のハイエンドの生地を使用し、モダンとヴィンテージがとってもうまく交わったスタイルで、テイラーリングも加わった上品なコレクション。あやちゃんがコレクションを語る時はなんだかサヴィルローの職人さんが話しているよう。彼女の洋服に対するパッションが凄く伝わってきます。すべて英国製のテキスタイルを使用しMade in UKと、ここまで拘ったレディースのブランドはあまりないのでとっても新鮮です。そしていつもトレンドに左右されない安定感のあるコレクションです。
ワークショップは小さいけど、ロフトがあり、昔からの暖炉も残っていてレンガの壁もとっても素敵。「Colenimo」のお隣は日本の床屋さん、そしてその隣はイギリスブランド「S.E.H Kelly」のショップもあります。
赤いレンガの建物に囲まれたArnold Circusや、素敵なショップやカフェが並ぶCalvert Avenue。この辺りは私の大好きなエリアです。
http://www.colenimo.com
3 Cleve Workshops
Boundary Street
London
E2 7JD