念願のジャンポール・ゴルチエ展!
大好きだった、そして神様のように思っていたジャンポール・ゴルチエ。彼の衣装を着て歌い踊るマドンナのコンサートビデオを何回も観て、テレビの前で一緒に歌いました。これは姉の影響で、姉もゴルチエの洋服を着てました。確か短大の入学式用か、誰かの結婚式用かで、姉が両親にゴルチエのスーツを高島屋で買ってもらった時、私はそれがすごく羨ましく嫉妬して、しばらくずっと機嫌が悪かったのを今でも覚えています(笑)。その頃私はまだ中学3年生で、ゴルチエの洋服なんて贅沢すぎるのも分かってたけど、それでもどうしてもすごくすごく羨ましかったのです。
そして、ちょっとだけ成長して高校3年生になり、週末だけバイトもするようになって、京都にあったゴルチエのお店に行くようになりました。週末だけのバイトではそんなに大したものは買えないのに、それでもそのお店が大好きでよく通いました。新しい洋服の香りと香水の香りが漂うお店に入る、あの瞬間を今でもよく覚えています。そこは私の夢の世界でした。
そのうち店員さんとも仲良くなって。。というか、今思うと当時私は高校生。あの販売のお兄さん、仕事とはいえよくもまあ高校生の私=ガキと仲良くしてくれたもんだな〜と思います。次第にそのお兄さんに会いに行くのも一つの「楽しみ」になりました。彼にすごく憧れていました。でも今思うと、絶対に彼はゲイだったなー。当時はそんなこと思いもしなかったな(笑)。
高校卒業間際に、短大入学式用の洋服を買いにまたお店に行きました。お兄さんに入学式用だと伝えたら、今までとは違って、たくさんの洋服を試着させてもらって、スタイリングまでしてくれました。すごく嬉しかったけど、恥ずかしいことに殆どの洋服は似合わなかった。。高校3年生の私は、完全にゴルチエの洋服に着られていました。そりゃそうですね。。でも、結局スーツを購入して、もう嬉しくて嬉しくて最高に幸せで、大きなゴルチエの袋を持った私は、河原町通りをセレブな気分で歩いたのでした。
その翌年ロンドンに旅行に行きました。真っ先に行ったお店は、もちろんゴルチエのお店。日本のお店とは全く品揃えが違うことにショックを受けました。そして今思うと、テンション上がり過ぎて買ってしまったんだなーと思うすごいジャケットが、たぶん今でも実家の押し入れにあります(笑)。
そして、その3年後にロンドンに住み始めました。その頃ホームステイをしていて、そのホストマザーがある日、ロンドンの観光名所の一つである蝋人形館マダムタッソーに連れて行ってくれました。とてもありがたかったのですが、正直あんまり興味は持てず、ただぷらぷらと歩いていたら、遠くにゴルチエの姿を発見!彼のところまで駆けつけて、彼と一緒に写真をパチリ!もちろん蝋人形だったのですが。。
でも、あの高校生の頃の事を思えば、すごくすごく遠かったものが、蝋人形と写真を撮るなんて、何だかだんだん彼に近づいてるような気がしてとっても嬉しかったのです。そして、あるときテレビを見ていたら彼が普通にイギリスのコメディー「Absolutely Fabulous」という番組に出ていて、びっくりでした。もう一つ、「Eurotrash」というかなり大人向けの深夜番組にも出演していました。ゴルチエと確かアントンと言う名前のフランス人の二人が司会をする番組で、しかも当時は視聴率No.1だったようです。
「Absolutely Fabulous」
「Eurotrash」
思い出話が長くなってしまいましたが、今回のゴルチエ展は、そんな私の青春時代を蘇らせてくれるものでした。卒業アルバムを見ている時のような気持ちで、ゴルチエワールドにどっぷり浸かったひと時でした。
やっぱり彼は天才です!展覧会は、バービカン・アート・ギャラリーで8月25日まで開催してますのでロンドンに来られる予定がある方は是非行ってみて下さい。
The Fashion World of Jean Paul Gaultier
: From the Sidewalk to the Catwalk
会場:バービカン・アート・ギャラリー
会期:4月9日から8月25日まで
http://www.barbican.org.uk/artgallery/event-detail.asp?ID=14772