ブーゲンビリアがたくさん咲く、Nicholas Canyon Road。昔デイヴィッド・ホックニーやフランク・シナトラが住んでいたそうで、ハリウッドヒルの一角にあります。この通りが題名になった、デイヴィッド・ホックニーの絵も有名です。ミッドセンチュリースタイルの家が立ち並ぶ閑静な住宅街で、とっても素敵なエリアです。
ロサンゼルスに来ると天気が良いから、いつも夕方にこの近辺を散歩するのですが、先日とってもファンキーなおじいちゃんに出会いましいた。
この辺りは、通りすがりの誰もがきちんと挨拶をしあうような、とってもフレンドリーなネイバーフッド。このおじいちゃんとすれ違ったときも、挨拶したら、とっても素敵な笑顔でハローが返ってきて、自ら自己紹介までしてくれました。
モルトという名のそのおじいちゃんは、毎朝毎夕方欠かさず散歩をしているそうです。コードレスのヘッドホンをつけて、ジャズを聞きながら歩くモルト。歩くペースも速い。しばらくお話をしてたのですが、まあ日本で言うおやじギャグというか、おじいちゃんギャグが多いから、最初は良かったけど、後半は結構笑顔を返すのも精一杯。笑
「若い女の子とこうして話をしていると、一日が明るくなるし、自分も10年くらい若返ったみたいで、気分は80歳だよ!」って言うので、またそれギャグなんでしょ!なんて応えていたら、冗談ではなく本当に90歳だったモルト。でも、どっからどうみても90歳には見えない。IDまで見せてくれたから事実なんですが、とっても健康というか、あんなに若い90歳に出会ったのは初めてというくらい。
またしばらく歩いていると、モルトが歩道に落ちていた1セントコインを拾って、「なんてラッキーな日なんだ!!」って、とても喜んでいて、何だかとっても愛らしい。
でも、そのコインにはとっても素敵なお話があったのです。
「僕の奥さんは10年前に亡くなったんだけど、彼女の最後の5年間は病気でとっても辛い思いをしていて、それでも毎日二人で散歩をしたんだ。そしてある日、彼女は落ちている1セントコインをみつけてそれを拾ったら、とってもとっても喜んだんだよ。どうしてそんなに嬉しかったのかはわからないけど、そんなに嬉しいんだったらと思って、その次の日から毎日、僕は先に散歩道にコインを置きに行って、それから二人で散歩をして、彼女がコインを見つけるときのあの喜びを一緒に楽しんだんだ。」
なんて素敵な話。そしてしばらく歩るくと、なんと私も1セントコインを見つけて、コインをポケットに入れながら本当にラッキーな日だね!と2人で大喜び。とっても素敵なひとときでした。
今度ロスに来た時もまた一緒に散歩しようね、モルト。