この時期、紅葉がとっても綺麗なロンドンの街。すっかり秋になりました。歩道には落ち葉がたくさん積もり、私の一番好きな季節でもあります。例年より雨は少なく、そんなに寒くもなくて、今年の秋はとても過ごしやすい。
雨の日の朝はほんとうに憂鬱です。お天気が良い日よりは支度に時間が掛かり、気持ちもなんだか鈍よりした感じになりがちです。今朝も晴天とはいかず曇りだったけど、今日は楽しみにしていたエキシビションを観に行く日だったのであまり気にならず、むしろ心の中は晴天でした。
ただ、その楽しみにしていたエキシビションというのが、実は雨のエキシビション。基本的に雨は嫌いで、その上ロンドンに長く住んでいるから、今までに嫌というほどの雨を体験している私。なのに何故、わざわざ雨のエキシビションに行くのか...。でも、それくらい行く価値があるんです、このエキシビション。
オープンしてからはとっても人気で、並ぶ時間はディズニーランドのレベル。スタートした週の週末土曜日に、そのエキシビションを開催しているギャラリーBarbicanへ行ったけど、待ち時間が3時間。さすがにそんなに並びたくはなかったので、その日は断念。そして今日はこの為に仕事をはやく切り上げて、Barbicanへと駆け足です。
ギリギリで間に合ったけど、それでも待ち時間は1時間半。まあ3時間よりは待てる気がしたので、頑張ることに。待つこと一時間半。いよいよ順番が回ってきました。
暗い大きな部屋へと歩いていきます。あの雨の日の臭いと湿気を感じながら、心地よい雨の音を聞きながら歩いて、奥の方まで歩いていくと、その空間は土砂降り雨。その土砂降りの雨と照明と音の調和がとてもよかった。
そして、何故こんなに雨のエキシビションが人気かというと、なんと、濡れない雨なのです。誰もが一生に一度は濡れない雨があったら良いな~と思ったことがあるはず。そうその濡れない雨がここで体験できるのです。
濡れないとは頭の中でわかっていても、こんなに土砂降りの雨の中を歩いていくのは、なんだかとても勇気がいる。歩いて雨の中に入る瞬間は、知らない間に息を止めていた。そして勇気を出して、一歩踏み出す。人間がテクノロジーをどれだけ信頼できるか、というテストの様でもありました。皆さんにも是非体験して欲しい。
本当の雨もこんな風に人間に反応して、自分が歩いていくところは雨が降らなかったら最高なんですけどね。
このRain Roomは来年の3月までBarbicanで開催しています。
Barbican
Random International: Rain Room
4 October 2012 - 3 March 2013
The Curve